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―KEN NO CHIKAI― since 2010.10.23
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Posted by MCBT - 2022.12.27,Tue
※当サイト初見の方はこちらをご覧ください※

エルシド様、お誕生日おめでとうございます!

せっかくエルシドの誕生日が判明したので、うちのオリキャラヒロインの話も書いておこうかと。
公式部下のツバキ、ラカーユ、ラスクも出ます。
(まだ誕生日わからない頃に部下話として書いていたのはこちら→「誕生日?」」)

それにしてもこの話、2年くらい前から書きかけていた。なぜ去年出さなかった…。
というかサイト更新自体、3年ぶりか?


遅くなりましたどころではないですが、「運命の出会い?」への拍手、ありがとうございました! あの二人、もう少しちゃんと書きたかったのですが。
 

拍手[2回]


---


 ティソナは顔を上げた。遠くから微かに鐘の音が聞こえてきた。そういえば今日は巷では冬至祭だ。今月は任務で訪れた各地で、同時期に行われる神の子の生誕祭の準備の様子も見かけたっけ。「神」がここにいる聖域ではそちらはあまり関係ないとはいえ。
「ティソナ、今帰りか」
 任務を受けてエルシドが教皇の間から降りてきた。自分の任務が終わった報告に行ったばかりのティソナは、できれば見送ろうと磨羯宮で待っていたところだった。
「はい。エルシド様はこれからですか?」
「ああ。長引かなければ、明後日には戻れるだろう」
「わかりました。…あのう…エルシド様、唐突ですけど…お誕生日っていつなんですか?」
 今は12月の末、山羊座の期間に入ったところだ。エルシドが山羊座の聖闘士であるからには、誕生日が近いはずだった。いつぞや部下たちの間でその話題が出たのだが、部下筆頭を自認するツバキも、聖域に来るまでしばらく一緒に旅をしたというラカーユも、誰もエルシドの誕生日を知らなかったのだ。
「ああ…27日だったか」
「27日!? 二日後じゃないですか!」
「そうだが…?」
「すみません、ちょっとお先に失礼します!」
 エルシドは慌てて出ていくティソナの背を、内心首を傾げて見送った。

「ちょっとみんな、大変!」
 ティソナはちょうど食堂で食事をとっていたツバキ、ラカーユ、ラスクのもとへ駆け込んだ。
「エルシド様のお誕生日、あさってだって!」
「なに!?」ツバキは手にしていたパンを取り落とした。
「どうしてわかったんだ?」ラカーユがびっくりしたように聞いた。
「今日は『生誕祭』じゃない、それでちょっと思い出して聞いてみたの」
「そうかー、ならあさってにお祝いやろうよ!」
 ラスクの言葉に、他の三人も気を取り直してうなずいた。
「よし、ならば…」
 気合を入れた表情になったツバキを中心に、部下四人はひそひそと相談を始めた。

「えーと、これで全部かな…?」
 翌日。ティソナは自分が担当している買い出しメモを見ながらつぶやいた。あれから四人は手分けしてエルシドの誕生祝いのための準備に奔走していた。任務がある者は早めに済ませて当日をあけるように努め、手の空いている者は食料品の買い出しなどをしていたのだ。エルシドは黄金聖闘士の任務の常で、帰りは明日遅くなる公算が高かった。なので、買い込んだ食材を料理するのは明日の当日の予定だった。
 ふと、通りがかった店の店頭に置かれていた物を見て、ティソナの足が止まった。

 四人がかりの料理がほぼ終わったころ、タイミングよくエルシドが帰ってきた。
「おめでとうございます!」
 部下四人が揃って出迎える様に、エルシドはちょっと驚いたような顔をしたが、ほんの少し嬉しそうに頬が緩んだ。
 エルシドが任務の報告を終えて戻ってくると、ささやかな宴が始まった。短い時間で用意したので大したものは作れなかったけれど、屈託なく笑いあいながら料理を皆で食べるという、楽しく気持ちのいいひとときになった。

 食べ終わると片づけをし、エルシドに挨拶して四人は磨羯宮を出た。長居して任務帰りのエルシドをあまり疲れさせてはいけないと思ったからだった。
 だが、人馬宮の手前まで来たところで、ティソナは心を決めて立ち止まった。
「忘れ物をしちゃった。ちょっと行ってくる」
 待っていようかというラスクに、先に戻っていてくれと手を振る。ツバキとラカーユもうなずいて、三人は下りて行った。

「どうした?」
 戻ったはずのティソナが再び入ってきたのを見て、エルシドは顔を上げた。
「すみません、お疲れのところ…」ティソナはちょっと口ごもった。「昨日これを見つけて、エルシド様にと」
 差し出された包みをエルシドが開けると、中から小さい銀のナイフが出てきた。大きさと形状から見て、武器としてではなく鵞ペンを削ったり紙を切ったりする用途の物だろう。すっきりと整った形で、柄の部分には小さな紫水晶がはめてあった。
「なんだかエルシド様にお似合いのような気がしたので。お誕生日のお祝いに」
「ああ、ありがとう」
 エルシドの静かな笑みを含んだ礼に、ティソナは花開くような笑みを返した。
「使ってくださると嬉しいです。お誕生日おめでとうございます! では」
 一礼して去ろうとするティソナの背に、エルシドは声をかけた。
「もう夜も遅い。泊っていけ」
 その晩、磨羯宮から出ていく人影はなかった。


---


誕生日のサプライズパーティーと、「プレゼントは私」というベタな展開を考えていましたが、それだけではなんだなあと思ったので、普通のプレゼントネタも足してみました。
18世紀のヨーロッパで誕生日にパーティーとかプレゼントとかの習慣があるのか不勉強なのでよく知りません。すみません。クリスマスがどう祝われていたかも。ヨーロッパ出身者は聖域に来るまではキリスト教的な環境にいたとは思いますが。
そもそも18世紀のこのころは聖域のあるギリシャはイスラム教のトルコの支配下だったりするのですが。あ、でもイエスはイスラム教でも預言者の一人なんだよな。それとも冬至祭ならあっただろうか?

ところでエルシドの誕生日は判明しましたが、よく考えたらうちのヒロインのティソナの誕生日決めてなかったな!? 誕生日が決まってないと星座も決まらないぞ。山羊座と相性がいいのは反対の蟹座か? まあ白銀か青銅かも決まっていないオリキャラなわけですが。ラカーユは10/3で天秤座、ツバキは11/13で蠍座、ラスクは8/31で乙女座だな。

そういえば「南冠座」を「サザンクラウン」じゃなくて「コロナ・アウストラリス」にしたけど、「コロナ」って昨今すっかりイメージ悪い言葉になっちゃったなあ…。
 

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自己紹介:
8月20日獅子座生まれ。
2008年頃に、ひょんなことで車田正美の漫画『聖闘士星矢』にはまる。漫画を読了後、アニメもOVA・TV版・映画版と観て、ギガントマキア・ロストキャンバス・エピソードGなどのスピンオフ作品にまで手を伸ばす。
トータルでの最愛キャラは車田星矢の黄金聖闘士、双子座のサガ(ハーデス編ほぼ限定)なのだが、このところ何故かロストキャンバスの山羊座の黄金聖闘士エルシドにはまっている。全然タイプは違うのだが、格好良さに惚れた。
二次創作は読むことはあっても書くことはないと思っていたのだが(いやかつては読むこともしなかったのだが)、とうとう禁?を破ってこんなことに。
このサイトは二次創作に特化させた「エルシド別館」なので、ロストキャンバスの新刊の感想等はこちらの「本館」のブログのカテゴリー「聖闘士星矢」を参照されたい。

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