突然ですがラダマンティス。ラダマンティスは結構好きなんですよ。誕生日に合わせて出せれば良かったのですが。
せめて蠍座月間のうちに。
そう言えばいつの間にかサイト開設2周年過ぎてた。
単なる記号としての敵ではなく、具体的に冥闘士について書くのは初めて。まあ独白ですが。
オリキャラは出ません。
相変わらず前後が長いです。
---
自分でもどうして生きていられるのか不思議だった。
それでなくても何度も死んだようなものだった。冥闘士として覚醒したのも、一度死んで生まれ変わったようなものだ。人間としての記憶が消えたわけではないが、冥闘士としての知識が上書きされると、意識はそれまでとはまるで違ったものとなる。肉体的にも、冥衣は冥闘士となった人間の体を作り変える。聖戦が本格化してからは、蠍座に血を沸騰させられた。心臓を自ら抉り出した。その心臓にハーデス様の血を受けて魔宮の守り人として復活したが、神の血になじむために激烈な苦しみを味わい、再度死んで生まれ変わったも同然だった。強大な神の力を揮う者として。だがそうして得た心臓も、小さな獅子座の黄金聖闘士の放った風のような拳の一撃で失われ、すでにない。その心臓からの神の血の残滓が、この体をかろうじて動かしていたのだろう。それももはや長くはもつまい。
冥闘士としての魂に刻み込まれたハーデス様への思い。ハーデス様でなければ意味がない。いくらハーデス様の力を持っていても、それが人間アローンなら滅ぼすべきものに過ぎない。たとえ今生のこの身が果てようとも、この手で倒すことができなくても。ハーデス様のために戦う。それが冥闘士としての唯一の存在意義。人間としての俺はとうにいない。俺は冥闘士だ。だからそれでいい。
だがパンドラ様、貴女は違う。ハーデス様に向かう気持ちは、そんじょそこらの冥闘士よりも強いかもしれない。それでも貴女は人間だ。ハーデス様を支えるのは、姉としての情愛からだ。ハーデス様への思いが決してぶれない貴女だから、志を同じくする者として、貴女が俺のことをどう扱おうと、そんな些細なことは気にもならなかった。そして、その高圧的な物言いの裏に、俺に向けての思いがあるのには気づいていた。それに応えることはできないが、強気な態度の後ろに立ちすくむ寄る辺のない少女には一片の情を感ぜずにはいられない。この時代に再びハーデス様が顕現することはないかもしれない。それならば、人間の貴女は生き残れ。思い出のほかには、俺には貴女にやれるものはない。それでも、誰かのためでなくては生きられないと言うのなら、俺への思いを持って行け。俺の、心の欠片を貴女に。
「俺のため」に。貴女が生きてゆけるなら。
---
最期の時に駆け巡った思い、ということで。
しっかし、あの大穴で動くのはすごかった。体半分になっての「仁王立ち」もすごかったけど。
ラダマンティスの最期の台詞は、私は「冥王軍の、いや、俺のために」だと解釈しています。「いや」の部分をパンドラの台詞として、ラダマンティスの台詞を「冥王軍の俺のために」と解釈しているものも見かけたことがありますが、それだとだいぶ意味合いが違いますよね。最期まで冥闘士でありたいというラダマンティスらしいと言えば、らしいですが。
私はここは、パンドラの思いがわかっていて、ラダマンティスがある意味、個人的に「情け」をかけたのだと思うのです。パンドラの恋愛に近い思慕の情に、同様の思いでは応えられないけれど、と。
冥闘士にはそれ以前の人間としての記憶があるのか、というようなことについての自分なりの解釈をしてみました。
無印のラダマンティスは、実はサガカノンに次いで好きです。漫画一読したときはそれほどでもなかったのですが、OVAのハーデス十二宮編での戦いっぷりが気に入りました。あのシーンにはいろいろ異論もありますが。
面食いなのに我ながらなんでラダマン?とか思いますがね(いやそれを言うならなぜLCでは山羊座!?ですが)。「大全」で「FIGHTING ABILITY」の図が実はシュラとそっくりなのに何かを感じます。
LCのラダマンティスもただ猛っているだけの最初はそれほどではなくて、神の血復活したときは神々しくイケメンに格好良くなりすぎて「どちら様?」とむしろ引きました。でも胸に大穴があいた後は結構好きです。ラストも悪くないと思いました。女心のわかるラダマンティスって新鮮でした。いい男だね!
2008年頃に、ひょんなことで車田正美の漫画『聖闘士星矢』にはまる。漫画を読了後、アニメもOVA・TV版・映画版と観て、ギガントマキア・ロストキャンバス・エピソードGなどのスピンオフ作品にまで手を伸ばす。
トータルでの最愛キャラは車田星矢の黄金聖闘士、双子座のサガ(ハーデス編ほぼ限定)なのだが、このところ何故かロストキャンバスの山羊座の黄金聖闘士エルシドにはまっている。全然タイプは違うのだが、格好良さに惚れた。
二次創作は読むことはあっても書くことはないと思っていたのだが(いやかつては読むこともしなかったのだが)、とうとう禁?を破ってこんなことに。
このサイトは二次創作に特化させた「エルシド別館」なので、ロストキャンバスの新刊の感想等はこちらの「本館」のブログのカテゴリー「聖闘士星矢」を参照されたい。
何かありましたら
mcbt★br4.fiberbit.net
まで(★を@に)。
Powered by "Samurai Factory"