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自分がもう長くはないのはわかっている。
浅い眠りと覚醒を繰り返す間にも、身体がどんどん蝕まれていくのがわかる。何故こんなことなったのか、今となっては詮無いことだが、研ぎ師として究められなかったことだけが心残りだ。
病を得てから居室の中には人を入れず、毎日一回、入り口のところに置いておいてもらう食事を這うようにして取りに行くのすら、だんだんきつくなってきた。
あの男は、毎日修行を終えた後、必ず様子を見に来る。入り口の脇に壁を背にして立ち、二言三言、言葉を交わす。大して話すこともないのだが、今はそれが一日で一番待ち望んでいる時間になっている。
フェルサーが姿を消して以来、ただでさえ無口だったあの男は、一層口数が少なくなった。顔つきも心なしかより鋭くなり、背も伸びたようだ。以前は同じくらいだったものだが、今はもう背中合わせに立って比べてみることもできない。多分、あの山火事の際に差し出されたときより、広くなっているだろう、その背中。かつてはもたれ合って互いの身の丈を比べ合った背中。
あの男は不満そうだが、居室に入るのは断固として拒んでいる。この病があの男にうつるのだけは、なんとしても避けたい。あの男までも、聖剣への道を閉ざされてはたまらない。
ともに夢を追った日々は何と充実していたことか。あの男が聖剣に至る道をずっと見守っていたかった。あの背に、あの修行で硬くなった手に、ふれることはもうできない。この胸の裡、微かに芽生えかけていた思いを伝えることも、もうするまい。
今となっては私の夢はただ一つ。お前が聖剣に至るのを見届けたい。
だがそれは、叶うことのない、見果てぬ夢。
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峰さんの新しい「夢」を少し前倒し。
一度夢神に繋ぎ留められたことによって峰さんの魂はあの刀に残り、エルシドが聖剣に至るのを見届けて、それから「成仏」するとか。
それなら「見果てぬ夢」じゃない?
峰さん側には「淡き思い」があったかも、というのを書こうと思ったんだけど、微かすぎる? 「背比べ」の件は捏造ですが、山火事のときの手の伸ばし方から、峰さん側の思いを拡大解釈。背中合わせに立つ、っていうのは「戦友」的な場合に使うものですが。
エルシドの方は、山火事のときも峰さんが病に倒れた後も、きっと純粋に仲間の身を案じていただけなんだろうけど、ね。
百歩譲って(そんなに譲るんかい!)エルシド側にも「淡き思い」があったとしても、二人とも互いの修行の邪魔になると思ったり、修行に励む相手に失礼だと思ったりして、本当は両思いでもすれ違いの矢印で、気持ちを伝えあったりはしていなかったんじゃないか、という気がします。
もし峰さんが病気にならず二人がそのまま成長していれば、結構いい感じのカップルになったかも(当サイトは成り立たなくなりますがね)。
NDは今週で今回のクールは終了。案外長くやったので、これでストックのなくなっていた単行本1巻分はたまったかな。
双子座は悪の面でしょうもないことを言っていても、やっぱり強くて男前。
獅子座はあくまでも格好良く。
前巻で終わりだと思っていた蟹座の姐さん再登場。いいキャラだとは思っていたが、思いのほかいい奴でびっくり。
LC外伝童虎編、2話目。
童虎さ~ん、聖衣まとうのは243年ぶりって言ってなかったっけ? 幻朧拳を一回受けると記憶が飛びやすくなるのか?
流星くんがかわいいね。ほのぼのする。
あと2回くらいかな?
2008年頃に、ひょんなことで車田正美の漫画『聖闘士星矢』にはまる。漫画を読了後、アニメもOVA・TV版・映画版と観て、ギガントマキア・ロストキャンバス・エピソードGなどのスピンオフ作品にまで手を伸ばす。
トータルでの最愛キャラは車田星矢の黄金聖闘士、双子座のサガ(ハーデス編ほぼ限定)なのだが、このところ何故かロストキャンバスの山羊座の黄金聖闘士エルシドにはまっている。全然タイプは違うのだが、格好良さに惚れた。
二次創作は読むことはあっても書くことはないと思っていたのだが(いやかつては読むこともしなかったのだが)、とうとう禁?を破ってこんなことに。
このサイトは二次創作に特化させた「エルシド別館」なので、ロストキャンバスの新刊の感想等はこちらの「本館」のブログのカテゴリー「聖闘士星矢」を参照されたい。
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