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外伝その後シリーズ第7弾。聖戦前~聖戦後。
コナー、ファリニシュ、サーシャ、シジフォス。レグルス関連。
オリキャラは出ません。
具体的にではありませんが、既存キャラの結婚話とか出てます。
LC外伝7巻、本日発売です! 今回も各所でイラストペーパーつきですよ!
後書きに「Ω」1期の感想など。
今週の埼玉、来週の愛知、オンリー行かれる方は楽しんできてくださいませ!
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「コナー様。お客様がいらっしゃいました」
ファリニシュの声にコナーが顔を上げると、自分と同じくらいの年に見える少女が立っているのが目に入った。その後ろには、大きな箱を背負った青年の姿。
「貴女は…」
「聖域から参りました。先日はレグルスが大変お世話になったので、是非ひとことお礼を言いたくて」
「アテナ様…ですよね? レグルスの言っていた…」
コナーが目を丸くする中、少女は丁寧に礼をした。そしてにっこりと微笑む。
「はい。でも、サーシャと呼んでくださると嬉しいです」
「聖域とは古くから親交のあるこの地には、前から一度来てみたかったのですけれど、なかなか機会がなくて。今日も無理を言って連れてきてもらったの」
サーシャは城の中を物珍しげに見回した。
「小さな城だし、何もない土地ですけれど」
コナーは謙遜して言った。
「いいえ」サーシャは頭を振った。「ここには豊かな恵みがあふれているのが感じられます。貴女やこの土地を守っている光の精霊の加護が」
「そう…ですか」
コナーは少し嬉しくなった。
「コナー様。あちらにお茶をご用意しました」
ファリニシュが声をかける。
「ああ、でもあまり長居は…」
サーシャはちらりと連れの青年の方をうかがう。
「少しぐらいは大丈夫ですよ、アテナ様。せっかくご用意くださったのですし、お二人でどうぞ」
サーシャは嬉しそうに立ち上がり、コナーと連れだって隣室へ向かった。間もなく、同じ年頃の少女たちの、楽しそうな声が響いてきた。
「あの方がアテナ様か…ああしていると普通の少女のようだな」
「気安く付き合える同年代の友人はほとんどいらっしゃらないからな。聖域ではなかなか息抜きできるようにしてさしあげられないのが心苦しい。聖戦が本格化してくる前の今ならと思ってな。」
青年は隣室からの笑い声に目を和ませていた。
「…ときに、貴方はレグルスに縁の者か?」
顔に、どこかあの少年を思わせるところがある。
「ああ。俺は獅子座のレグルスの叔父で、射手座の黄金聖闘士のシジフォスという。レグルスの師匠でもある」
「師匠!?」
「何か?」
ファリニシュの声に含むところを感じ、シジフォスは表情を改めて振り返った。
「いや…だがもう少し落ち着きを教えておいて欲しかったものだな」
「申し訳ない」
ファリニシュがやや皮肉っぽく言うと、シジフォスは頭をかいた。
「あれは自分の勘で動くところがあってな…しばらく野生児のように暮らしていたときの癖がなかなか抜けないのだ」
「野生児?」
シジフォスはうなずいた。「あれは5歳のとき目の前で父親を殺され、それから5年間、俺が見つけ出すまで、森の中でただ一人で暮らしていたのだ」
「そんなことが…」
「ああ。あれの心は強い。だが聖闘士としてはともかく、人間としてはまだまだ未熟なところも多い。不足な点があったのなら俺の責任だ」
頭を下げるシジフォスに、ファリニシュは首を振った。
「いや…詫びる必要はない。彼は最終的にはコナー様を守ってくれた。本当は、中途で倒れた私の方が礼を言わねばならないところだ。彼は立派だったよ」
「そうか、それは良かった」
シジフォスはほっとした顔をし、誇らしげににっこりと笑った。その顔はやはりどこか甥っ子と似ていた。
「では慌ただしくて申し訳ありませんが、これで」
シジフォスが辞去の挨拶を述べる。
「そちらは今は…お忙しいのですか?」
コナーは心配そうにサーシャからシジフォスの顔へと目を走らせる。
「そうですね…そろそろ冥府からの勢力が動き出していて、我々もなかなか気が抜けないのです。レグルスもまたお邪魔したいと言っていたのですが」
レグルスは別の任務で出かけているという。
「ですが、こちらと聖域は古くからのご縁があります。何かありましたらいつでもご連絡ください」
シジフォスは背負ってきた箱に手をかけた。箱が開き、シジフォスの体に黄金の鎧が装着される。レグルスのものと同じ輝きではあるが、また違う、背に翼のある黄金の鎧。
「失礼」
サーシャを抱きかかえると青年は一礼し、次の瞬間、二人の姿はかき消えた。
「行ってしまいましたね…聖闘士というものは相変わらずせわしない…」
「ええ…」
彼らにはこれから神々の戦いがあるという。また会いましょうとは二人とも口にはしなかった。代を経るまで、会うことは適わぬかもしれないから。
*
月日は流れ、コナーは成長し、良縁を得て夫を迎えることとなった。結婚式の招待状の返事を検めていたファリニシュの手が、ある書状のところで止まった。
「どうしたの? どこからのお返事?」
「聖域を預かる教皇様からです。…残念ながら、サーシャ様・レグルス・シジフォス殿は行かれないとのことですが、聖域として心からの祝福を送ると」
固い表情で答えたファリニシュに、コナーは笑顔を向ける。
「いいのよ、ファリニシュ。隠さなくても」
「コナー様…」
「何年か前にね、私、わかったの」コナーは窓を開けて風を入れる。「レグルスが…父様と同じように、いつも側にいてくれるように感じられることがあるようになったから」
「…」
「あの人たちは大変な戦いがあると言っていたわね…世界を守るための。姿を見ることはできないけど、父様や…ルー様や…精霊たちと一緒に、世界を守ってくれたのね」
私は元気よ、レグルス。私は大丈夫。そう、貴方たちはいつも側にいてくれるから。
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先日拝読したあるお方の作品で、コナーちゃん結婚ネタがありましたが、かぶっているというものではないと思うので出させていただきます。
ここでシジフォスが聖衣を纏う必要はあんまりないんですが、急いで帰るために、とか。
聖衣箱、装着時はどうなっているんだろう…ということはスルーでよろしく。
コナーちゃんはかわいいけど、しっかりしたいい子です!
女の子を並べたかったので聖戦前も少し。
でもガールズトークよりもお姉さん・お兄さんのしゃべりの方に重心が行ってしまったかも。
思いのほかシジフォスが出張ってます。さすが主役の前に立つ男(←アニメ第1章OP)。
ファリニシュさん、身の回りの世話を焼く侍女の役、武器を持っての護衛役、お城のあれこれを切り盛りする執事・家令の役と、なんか万能なイメージがあります。
ところで「コナー」って名前、姓か男の子の名前みたいですが、ケルト系の名前としてはありなのかな?
まあ「アフロディーテ」っていう男のいる世界なので、なんでもありだとは思いますが。
単行本のイラストペーパー、コナーちゃんがいるので単色ですがアニメイトで手に入れました。
追加漫画は何とリアシャカですよ!(違)
外伝連載が今アスミタ編、というのもあるのかな。アスミタは本編連載時にも間もなくアニメに出ますよ、というときにデフテロスの回想で出ていましたっけ。意外と宣伝活動に熱心!?(全然違)
単行本の全体の感想はのちほど「本館」にて。
新TVアニメ「Ω」、3月末で第1期?マルス編が終了しました。
4月から新章が始まっています。
いろいろ気になるところもありましたが、なかなかおもしろかったです。
で、せっかくその「Ω」世界に慣れたのに、新章でまたいろいろ変わりましたが、初回を観る限りなかなか今後も期待が持てそうです。
まだ日曜朝の早起きが続きそうです。また一年? それとも半年?
「本館」で毎月末に感想あげてます。
ところで公式サイトさん、アプス様とパラダイスとルチアーノとビートル兄弟とマーシアン隊長をキャラクターページに載せてあげてください。お願いしますよ。
2008年頃に、ひょんなことで車田正美の漫画『聖闘士星矢』にはまる。漫画を読了後、アニメもOVA・TV版・映画版と観て、ギガントマキア・ロストキャンバス・エピソードGなどのスピンオフ作品にまで手を伸ばす。
トータルでの最愛キャラは車田星矢の黄金聖闘士、双子座のサガ(ハーデス編ほぼ限定)なのだが、このところ何故かロストキャンバスの山羊座の黄金聖闘士エルシドにはまっている。全然タイプは違うのだが、格好良さに惚れた。
二次創作は読むことはあっても書くことはないと思っていたのだが(いやかつては読むこともしなかったのだが)、とうとう禁?を破ってこんなことに。
このサイトは二次創作に特化させた「エルシド別館」なので、ロストキャンバスの新刊の感想等はこちらの「本館」のブログのカテゴリー「聖闘士星矢」を参照されたい。
何かありましたら
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まで(★を@に)。
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