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Posted by - 2024.04.29,Mon
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Posted by MCBT - 2013.02.08,Fri
※当サイト初見の方はこちらをご覧ください※

エルシドのほかに、アスミタもハクレイさんが拾ってきたという手代木先生の設定メモからの捏造過去。
修行時代のエルシドさんと、ハクレイじーちゃんと、子どもアスミタさん。
今月からアスミタ外伝が始まるので、今のうちに。
※始まりました~矛盾はスルーでお願いします~。今月号のネタバレも後書きで少し(2013.2.12・13)

オリキャラは出ません。


「Ω」の山羊座イオニアさん、NDについては後書きに。

今度の日曜日の大阪オンリー、行かれる方は楽しんできてくださいませ。
 


拍手[1回]


---


「さて、このあたりのはずじゃが」
 ハクレイは周囲を見回した。後ろでエルシドはため息をついた。相変わらずこの人は大雑把だ。
 数日前、いつものことだが突然修行地に現れ、「一緒に来い」と連れ出されてきたのだった。はるばるここ、インドまで。この人が族長をしているジャミールからなら直行した方が早かったろうに、なぜまた…。
「ふむ、あれか」
 ハクレイは足を止めた。その目線の先には、古ぼけた寺院の前にすわっている、まだ幼い少年がいた。
「あれは…?」
「お前と同じ、黄金聖闘士の候補となる者よ」

 少年は座禅を組み、目を閉じてすわっていた。まとっている襤褸布を通してやせた体が見える。このあたりの人間にしては、髪の色も肌の色も薄いようだ。そして薄汚れてはいるが、見てくれは悪くない子どもだ。その見かけに良からぬ思いを抱く輩がいてもおかしくないが、不思議とそういう者は寄って来ない。少年が自然に発している『気』が、そのような者たちが無意識に避けるように仕向けているのだ。見る者が見れば、少年があたかも淡い黄金の光に包まれているように感じられるのだった。
 前に置いてある欠けた皿に、わずかばかりの硬貨が投げ入れられている。一人の老婆が前を通りかかり、少年をありがたいもののように拝むと、パンを一欠け置いていった。少年も合掌すると、無造作に手を伸ばしてそのパンをつかみ、食べ始めた。
 ハクレイは少年が食べ終わるのを見計らって近づいた。
「お前は、ここで何をしておる?」
「神仏と対話しています。この世の理について」
 突然の問いにも、少年は驚くそぶりも見せずに答えた。
「ふむ。ではその世の理を、己の目で確かめてみたいとは思わぬか?」
 少年はハクレイの方を見るかのように顔を仰向けた。
「私の目は閉ざされていますが、それでも、それゆえに、多くのものは見えます」
「お前の中には宇宙につながる力―『小宇宙』がある。それを高める場所がある。高めれば、世の理はよりはっきりと見えてこよう。この世にはまだお前が見たことのないものもある。この地が修行に最適というならまた戻ってくるも構わぬが」
 少年は考え込むようだった。
「では、この者はどう見える?」
 ハクレイは話題を変えた。少年はエルシドの方に顔を向けた。相変わらず目は瞑ったままだが、興味を惹かれたように表情が少し動いた。
「きれいな金色の剣ですね。まだ未完成ですが、いずれ良い剣になるでしょう」
 エルシドは眉を寄せた。少年は見定めるかのように、しばらくエルシドの方に顔を向けていた。
「このような者たちが他にも?」
「うむ。まもなく聖域に集結してこよう」
 ハクレイはうなずいた。少年が立ち上がった。
「このような強き黄金の光…興味がわきました。では連れて行ってください、貴方の言う、世の理が見える場所、聖域とやらへ」

「で、俺は必要だったのですか」
「なに、たまには気分が変わって良いであろう?」
 仏頂面のエルシドに、ハクレイは手を伸ばしてその髪をわしゃわしゃと撫ぜた。
「お前は放っておくと山奥にこもって修行ばかりしておるからな」
「それが悪いのですか」
 ハクレイの手をつかんで頭からはがしながら、エルシドは不満そうに言った。
「悪いとは言わん。だがお前はちと固過ぎる。ときには外に出て、いろいろなものや人にふれるべきじゃな」
 エルシドは口を閉ざし、ハクレイに手を引かれて歩いている少年を見た。確かに、世の中にはいろいろな人間がいる。聖闘士の候補生の中にも、気さくなフェルサーのような者も、この少年のような者も。すたすたと歩いているその横顔を見ていると、少年はこちらに顔を向け、ふっと笑みを浮かべた。その悟ったような大人びた表情に、エルシドは目をそらした。俺は本当に『良い剣』になれるだろうか。否、ならねばならない。エルシドは顔を上げて前を見据えた。
(黄金の剣よ、君はそのまま前を見て進みたまえ)
 のちに『神に近い男』と呼ばれる年下の盲目の少年は、静かに笑みを深めた。

「アスミタ…エルシド…わしから見れば遥かに若いお前たちを、先に逝かせることになるとはな…。二人とも、それぞれでなければできないことを行い、まさに適任だったとはいえ…」
 ハクレイはスターヒルの頂で空を見上げた。
「だが待っておれ。この老兵もそろそろ最後の務めを果たすときじゃ」
 ハクレイは教皇のマスクをかぶりながら不敵な笑みを浮かべた。


---


これも某原稿からの派生の一つ。
「神に近い男の笑み」の後書きに書いていたネタでした。

アスミタ、このとき年はいくつだー。エルシドとは五つ違いだから、エルシドが12歳とかだったらアスミタは7歳。まあアスミタだから、それでもありか。
エルシドもアスミタもハクレイさんが拾ってきたのだとしても、アスミタ発見のときにエルシドがいる必然性は全然ないんですが、いたらどうだったかなあと。
この二人が子どもの頃からの知り合いだったりするとおもしろいと思うんだけど。
まさか外伝で何かネタがかぶったりはしないと思いますが、その場合は注意書きを増やします。

※アスミタ外伝始まる前に書いているので、いろいろ矛盾が出てきたらすみません。アスミタは享年21なので、11年前(手代木先生のブログ(「分家」の方)による)なら、外伝が本編の直前だとしても最高で10歳。何年か前だと年一桁ですね。しかしあの体形でよく生きてるな。髪型?も思い切りましたねえ、手代木先生。聖闘士としての修行地があそこなら、師匠はあの人なのか? エルシドの修行地はジャミールじゃないと思いますが…。しかしこの展開だと、物語が終わった後、聖戦後まで生き残っている人がいない気が…。どうする外伝その後話アスミタ関連>自分! ともあれ、手代木先生、来月以降も楽しみにしてます!(2013.2.12・13)


「Ω」の山羊座のイオニアさんですが、もうちょっと何とかなってるかと思ってたのに…。
昔のTVアニメ版にあった、山羊座は「もっとも女神に忠誠心厚き男」をこじらせた感じに。
「何代ものアテナに仕えた」って貴方いくつですか? 何百年も生きてるの? 山羊座の魂的なもの? とりあえず、シュラよりは前の人だよね?
若返ってさらに体が太くなったのはともかく、若返ってもイケメンにはならなかったな。
イオニアさんの語る「愛」って「恋愛」ではないと思うけど、結局自分の解釈に陶酔してて、言動がキモい奴になってた…。とうとうエクスカリバー的な技もなかったし。

NDは先週で今シーズン終了。次シーズンは「夏頃」だそうです。
あのネタを使うならシャイナさんの身は…? まさか原作当初から考えていたネタじゃないよね…。
NDについては、過去と現代どっちつかずで、以前は正直、始めないで欲しかったとさえ思っていました。でも今は結構楽しみにしています。やはり車田先生のキャラの描写力は半端ないです。失礼いたしました。
 

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MCBT
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非公開
自己紹介:
8月20日獅子座生まれ。
2008年頃に、ひょんなことで車田正美の漫画『聖闘士星矢』にはまる。漫画を読了後、アニメもOVA・TV版・映画版と観て、ギガントマキア・ロストキャンバス・エピソードGなどのスピンオフ作品にまで手を伸ばす。
トータルでの最愛キャラは車田星矢の黄金聖闘士、双子座のサガ(ハーデス編ほぼ限定)なのだが、このところ何故かロストキャンバスの山羊座の黄金聖闘士エルシドにはまっている。全然タイプは違うのだが、格好良さに惚れた。
二次創作は読むことはあっても書くことはないと思っていたのだが(いやかつては読むこともしなかったのだが)、とうとう禁?を破ってこんなことに。
このサイトは二次創作に特化させた「エルシド別館」なので、ロストキャンバスの新刊の感想等はこちらの「本館」のブログのカテゴリー「聖闘士星矢」を参照されたい。

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