※当サイト初見の方はこちらをご覧ください※
黄金交流話、アスミタ編。
捏造過去を含むハクレイさんネタが入る小話。
この話だけならオリキャラは出ません。
(前書きと後書き、カテゴリーを修正―2013.2.9)
---
十二宮の他人の宮を通るときは一声かけるのが礼儀だが、処女宮だけはそのまま通り過ぎるのが常だった。宮主が来た当初は声をかけていたのだが、本人は大抵いつも瞑想していて、返事が返ってくることはめったになかったからだ。乙女座の聖闘士が何をしているのかいぶかる者もいたが、きっとそれなりの理由があるのだろうと思って気にしないことにしていた。任務の帰り、この日もそのまま通り過ぎかけたときだった。
「挨拶もなしに通るのかね」
なんと宮主がふらりと奥から現れたのだ。
「…失礼した。瞑想の邪魔をしてはいけないと思ってな」
エルシドはやや驚いてその顔を見返した。
「なに、私とていつも瞑想しているわけではない」
目は閉じられており、相変わらずその表情は読めない。だが何か用あり気だ。
「ジャミールのハクレイ殿が来ておられる」
「何だと」エルシドはちょっと目を瞠った。「ここに寄ったのか」
「ああ。君のことも聞いておられた。今は教皇の間に居られる。帰りがけにでも君の宮に寄られるだろう」
エルシドが微かにため息をつくと、アスミタはうっすらと笑った。
「まあそう嫌がるものでもあるまい。私たちの恩人なのだからな」
「…別に嫌がっているわけではないが」
「そうか」
アスミタはこの男には珍しく、にやりと言えるような笑みを浮かべ、また奥へ戻っていった。
もしかして、わざわざ注進しに出てきてくれたのか? 子どもの頃、ともにハクレイに見出された身として。まあどうせ報告に行かねばならない。顔を合わせないわけにはいくまい。エルシドはもう一つため息をつくと、そのまま十二宮を上っていった。
---
我が家ヒロインがいることが前提の「ジャミール」、エルシドの捏造過去話「黒髪の少年」とちょっと関連しています。
アスミタの口調を調べるために単行本4巻を読み返したら…うっわーアスミタってば意地悪ー。
性格はシャカよりいいと思ってたけど…こんな人とは戦いたくないよね~。
ハクレイさんがちょっと苦手なエルシドさんとか。「告白」の章の前設定なのでまだ大したことは言われない?
アスミタとハクレイさんはどんな話をしたんだろうか。「はて 貴方らしくもない」…
「黒髪の少年」でエルシドを見出したその足でアスミタのところに行く、という捏造過去ネタも考えたけど、アスミタが6歳くらいになっちゃうからなー。ロスキャン世界では黄金でも7歳で聖闘士になったりはしていないと思うので。まあアスミタならありかもしれないけれど。
一応これで黄金総当り終了です。
でもよく考えるとアルバフィカとエルシドはほとんど共演してないな。主編で投げた花瓶を受け取ったくらい。
シオン様も短編では共演してないけど主編のラストがあるからいいか。
一回りしたけど、また書きたくなったらいろいろ書くと思います。
アニメ第2章2巻キター! 来月はいよいよエルシドかっ…!!
2008年頃に、ひょんなことで車田正美の漫画『聖闘士星矢』にはまる。漫画を読了後、アニメもOVA・TV版・映画版と観て、ギガントマキア・ロストキャンバス・エピソードGなどのスピンオフ作品にまで手を伸ばす。
トータルでの最愛キャラは車田星矢の黄金聖闘士、双子座のサガ(ハーデス編ほぼ限定)なのだが、このところ何故かロストキャンバスの山羊座の黄金聖闘士エルシドにはまっている。全然タイプは違うのだが、格好良さに惚れた。
二次創作は読むことはあっても書くことはないと思っていたのだが(いやかつては読むこともしなかったのだが)、とうとう禁?を破ってこんなことに。
このサイトは二次創作に特化させた「エルシド別館」なので、ロストキャンバスの新刊の感想等はこちらの「本館」のブログのカテゴリー「聖闘士星矢」を参照されたい。
何かありましたら
mcbt★br4.fiberbit.net
まで(★を@に)。
Powered by "Samurai Factory"