アルバフィカ+我が家ヒロイン・ティソナの話。
主編「聖域」の章を受けた「花」前提。
「花屋への道」への拍手&コメント、ありがとうございました!
アルバフィカを求めてこられた方々、すみません。
ちょいちょい出てはいるのですが、あまり大した役ではなくて。
とりあえず、拍手お礼話として。
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動物が死んでいるという訴えがあった。
様子を探りにその森に分け入ってみると、次第に木が枯れ、小動物や鳥の死骸が転がるようになってきた。微かにたちこめる甘いような、腐ったような臭いがだんだん強くなってきた。ティソナは自分の周りに防御を巡らしながら慎重に森の奥へと進んだ。
森の中心あたりの草地にそれはあった。いや「いた」と言うべきか。禍々しいまでの大きな花をいただき、立っている姿。一見するとただの薔薇の株に見えるが、それが発する香気はすでにただの植物ではなかった。華々しく咲き誇ってはいるが、どこか崩れたゆがんだ姿。その香気も香り高さをめざしながらも、純な香りになりきれない腐敗臭をともなっていた。
動くものの気配を察したのか、それは一段と発する香気を強めた。
「くっ…」
ティソナは自分の防御をかいくぐってくる香気に息をつめ、技を放った。葉が何枚か飛んだが、存外しぶとい。
「クリスタルカットラス!」
ティソナは叫びながら必殺の気合を込めて技を放った。薔薇に似た姿の胴体、いや茎の真ん中が真っ二つに断ち割られる。悲鳴のような衝撃波が響き渡り――それはどうと倒れた。
香気が収まったのを確認して、ティソナは防御を解き、大きく息をついた。
「こんなもの…アルバフィカ様の香気にははるかに及ばないわよ。アルバフィカ様の香気は強力なだけじゃなくてもっと気高いものなんだから」
「お褒めにあずかり、恐縮だ」
思いもかけず後ろから声がかかり、ティソナは驚いて振りかえった。少し離れたところに微笑を浮かべながらアルバフィカが立っていた。
「アルバフィカ様…」
「任務の帰りにちょっと嫌な香気を感じてね。手ごわそうなら手を貸そうかと思ったが必要はなかったな」
「いえ…お気遣いいただいて…」
「さて、聖域へ帰ろうか。ああ、うちの花ならまたいつでもとりにおいで」
「はい。ありがとうございます」
この美しい人と並んで聖域に帰るのはちょっと気が引けるけど、黄金聖闘士に認めてもらったのはとても嬉しい。エルシド様の部下としても恥ずかしくないように、ティソナは聖闘士としての精進を改めて心に刻むのだった。
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藤様、コメントありがとうございました! ええと…初めましてでしょうか。
このサイトでは初のコメント、すごく嬉しいです!!
ろん様も喜んでおりました。
うちのアルバフィカさん、女の子には優しいいい人です。いや原作でも優しいいい人ですけど。パラレルじゃないと直接他人とは接点作れないんですよね。アガシャちゃんの代わりですみません。
そういえば、主編やこぼれ話に出ているのでつい忘れがちですが、エルシドとアルバフィカがガチで出てくる話って書いてないですね。しかしどうするとあの二人は絡むんだ? いずれ何とかしてみたいです。
アニメへのエルシド登場で頭の中が踊り回っています。
このところ更新滞り気味ですみません。
2008年頃に、ひょんなことで車田正美の漫画『聖闘士星矢』にはまる。漫画を読了後、アニメもOVA・TV版・映画版と観て、ギガントマキア・ロストキャンバス・エピソードGなどのスピンオフ作品にまで手を伸ばす。
トータルでの最愛キャラは車田星矢の黄金聖闘士、双子座のサガ(ハーデス編ほぼ限定)なのだが、このところ何故かロストキャンバスの山羊座の黄金聖闘士エルシドにはまっている。全然タイプは違うのだが、格好良さに惚れた。
二次創作は読むことはあっても書くことはないと思っていたのだが(いやかつては読むこともしなかったのだが)、とうとう禁?を破ってこんなことに。
このサイトは二次創作に特化させた「エルシド別館」なので、ロストキャンバスの新刊の感想等はこちらの「本館」のブログのカテゴリー「聖闘士星矢」を参照されたい。
何かありましたら
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