「善悪をはかる者―黒髪の少年（３）」

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黄金交流話、童虎編。
ＬＣ原作開始時の3～4年前くらい？

原作設定のみで（ＬＣ・無印込み）。オリキャラは出ません。
しかし童虎さんは参照する箇所が多くて大変だ。

 

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　十二宮の石段を登っていくと、金牛宮の前に立っている者たちがいた。大きなハスガードの前に立っているのは黒髪の小柄な人影。ハスガードに並ぶと大抵の者は小さく見えるのだが、しかしそのことよりも、その者のまとっているのは。黄金聖衣、それも――。
「おお、エルシド、今戻りか？」
　ハスガードがこちらに気づいて声をかけてきた。手前の小柄な姿が振り向く。東洋系の、少年の顔。まだこんな少年が、この聖衣を担うことになったのか。善悪を判断する役目を与えられる、聖闘士の要となる者として。
「すまんすまん、通路をふさいでいたようじゃな」
　顔に似合わず、妙に年寄臭い口調で、少年が満面の笑みを浮かべながら話しかけてくる。
「いや。お前が―」
「天秤座を拝命した童虎じゃ。よろしゅう頼む」
　ちらと問いかけるようにハスガードの方を見ると、ハスガードが破顔して童虎の頭をくしゃくしゃと撫で回した。
「童虎、エルシドも俺と同じように『こんな子どもがどうして？』と言いたいようだぞ」
「わしはもう子どもではないと言ったではないか！」
　憤慨したように言う顔はやはりまだ子どもに見えた。
「冥闘士とはもうまみえたのか？」
　エルシドが聞くと、童虎は残念そうな顔をした。
「まだじゃ」
「これからいくらでも会える。急くことはない」
　そう言えば先程通った白羊宮も、新しく守護人が決まったのだった。あちらもまだ若かった。これで十二宮でまだ埋まっていないのは獅子宮のみ。それももう決まったようなものだったが。二百数十年ぶりに、十二宮の守護人が全て揃うのはそう遠くない。それは聖戦が本格的に始まるということ。この少年にも幾多の困難が待ち受けているのだろう。生き抜ければだが――。
「いくらでも会える。生きていれば、な」
　かみしめるように言うエルシドの顔を、童虎はふと真顔で見上げた。

＊＊＊

「――長く生きてきたが、冥界は初めてじゃのう。冥闘士には山ほど会ったが」
　冥界を見はるかしながら、童虎は二百数十年前に先代の黄金聖闘士とかわした会話を思い出していた。前回の聖戦も熾烈を極めたものだったが、冥界が舞台になることはなかった。あのときの黄金聖闘士たちは自分とシオンを残してすべて逝き、あれから長い時が過ぎた。その後は魔星を封じた塔の監視をしながら、聖域の動向を遠くから見守ってきた。サガの乱のときはかなり危惧したものだが、自ら育てた者を含む青銅の少年たちが事態を正してくれた。天秤座の武器も何度か貸した。新たに集った黄金聖闘士たちも既に半数が逝った。同じ名を継いだ牡牛座も、やはり同じように黒髪を持った山羊座も、束の間の邂逅をしたシオンも。そして自分は再び黄金聖衣をまとい、今冥界に立っている。自分は天秤座の聖闘士として、皆を正しく導けただろうか。
「さて、行くとするか。未来を託す少年たちを助けるためにな。『老師』として」
　わしももう、本当に『少年』ではないぞ。見かけは変わらぬかもしれんがな。豪快に笑っていた気のいい先代の牡牛座と、生真面目な顔をして恐らくはこの身を案じてくれていた先代の山羊座の顔を思い浮かべて童虎は思った。今度こそ、お前たちにそう言えるだろうか。

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童虎さん、書きやすそうなのに遅くなりました。
さわやか系少年？は苦手なのか？＞自分
「脱皮」後、見かけは「18歳」のままなんだよね。ＬＣの時点では本当に若いけど。
この頃14～15歳だとすると、エルシドは22～23歳、ほぼ「年中組」の年。ＬＣでは聖闘士になった年齢は遅そうだけど、きっともういろいろあったと思うので先輩っぽく。

童虎さんは童顔だし、東洋系は欧米系から見ると若く見えると思うんだ…。
同い年のシオン様よりも、ってシオン様も東洋系だったか。チベットの方はだいぶ西方の血が入ってるってことで、ＯＫ？　ほらウイグルとか、ソグドとか…。

童虎さん、ＬＣではまだもう一働きあるはずなんだが…。