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―KEN NO CHIKAI― since 2010.10.23
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Posted by - 2024.05.12,Sun
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Posted by MCBT - 2013.10.07,Mon
※当サイト初見の方はこちらをご覧ください※

「天文台」への拍手とコメント、ありがとうございました!

久しぶりにエルシド話!
最近看板に偽りありのような気もしてきましたが、エルシド様は書くの難しいのです…。

外伝の直後から。これも捏造過去と言うべきか。
他にシジフォス、最初だけラカーユ、ツバキも。

オリキャラは出ません。


拍手[2回]


---


 エルシドが聖域に帰還した。
「やあ、お帰り、エルシド。…ひどくやられたようだな。大丈夫か?」
 笑顔で出迎えたシジフォスはちょっと眉を寄せた。
「ああ、問題ない」
 エルシドはいつものように淡々と答えた。
「そちらの君は?」
 シジフォスはエルシドと一緒に来たらしい少年に顔を向けた。
「今日から聖闘士を目指すラカーユと言います! よろしくお願いします!」
 少年は、元気よく挨拶した。
「頼もしいな。ああ、ツバキ、新しい候補生だ。先輩としてお前が面倒をみてやれ」
「…わかりました、シジフォス様」
 そこにいた長髪の若い男がやや仏頂面で応じた。
「しっかり励めよ」
 エルシドはうなずいて、十二宮の方へ足を向けた。
「あれ、エルシドさんは…」
「教皇への報告だ」
 歩き出したエルシドに、シジフォスが並ぶ。
「俺も上へ戻るところだから、何があったのか聞かせてくれ」
「わかった」
 二人はそのまま話しながら離れていった。
「あああ~エルシドさんに稽古つけてもらえるかと思ったのにな~」
「お前、黄金聖闘士様に何を期待しているんだ。そんなわけがないだろう」ツバキと呼ばれた先輩候補生の男が呆れたように言った。「それから、どこで知り合ったのかは知らんがな」ぐるりとこちらを振り向いた。
「…エルシド『様』だ」

 シジフォスにはああ言ったが。
「…かなりやられたな」
 磨羯宮に戻って、エルシドは苦笑していた。相手はあのフェルサー、それも神の力を宿していたフェルサーだ。当然というべきか。自分もまだまだということだ。カタラニアから帰ってくるのに少しかかったこともあって、傷はふさがっている。エルシドは再び聖衣を纏うと立ち上がった。
「あれ? エルシド?」
 シジフォスは顔を上げた。上から、先ほど別れた男の小宇宙が通り過ぎて行ったのを感じた。まったく、あれだけやられたのに、戻ってきたと思ったらもう自分の修行か。相変わらず熱心なことだな。俺の目をごまかせたと思っているのかもしれんが、無理にでも休ませるべきだったか。まあ言ってもなかなか聞きそうもないが、早めに様子を見に行って、もっと自分の体を労われと言ってやらねばな。

 人気のない海岸近く。目を閉じ、じっと気配を探る。小宇宙を高める。
 右腕を振るう。次いで左腕を。水面が鮮やかに割れる。
 まだだ…まだ全てではない。何かが足りない。そうして何度腕を振るったか。エルシドは荒い息をついて片膝をついた。
 気配を感じて振り向くと、シジフォスが厳しい表情で立っていた。
「いいかげんで休め、エルシド」
「…シジフォス」
「お前が揺るぎない信念を持って、自分を鍛え磨き抜こうとしていることは知っている。だがときには休んで心を切り替えることも必要ではないか。硬くよく斬れる剣もむやみと使い続ければ折れてしまう。斬れ味のいい剣も研ぐ時間は必要だろう。その方が折れたり欠けたりしない。違うか?」
「…ああ、あの人と同じことを言うのだな」
「誰だって?」
「いや、何でもない。わかった。今日はもう休む」
 存外、素直にエルシドはうなずいて修行を切り上げた。もっと強引に傷を自覚させて『説得』せねばならないかと思っていたが、今回の任務で何か思うところがあったようだ。常に一人自分の道を邁進しているエルシドだが、他の者の言葉に耳を貸せるようになったのはエルシドにとって良いことだろう。
「よしよし」
 シジフォスはエルシドの右腕をぱんぱんとたたいた。
「……ッ」
 エルシドがわずかに顔を歪めた。
「ほら、無理をするんじゃない。このくらいで痛むなんて余程の負傷だぞ。こっちが利き腕だったか? だったらなおのこと、大事にしなくてはな」
(利き腕?)
 エルシドは立ち止まった。
「どうした、エルシド?」
「…いや」
 利き腕か。そうだ、より鋭くするためには一点に集中して鍛えるのもいいかもしれない。
「おい、何か思いついたみたいだが、もうちょっとやってみるっていうのはなしだぞ」
「わかっている。だが貴方がヒントをくれた。礼を言う」
「ん? そうか? なんだかよくわからんが、ま、俺もお前の役に立ったなら嬉しいよ」
 珍しく、わずかに笑んだエルシドを見て、シジフォスも穏やかに笑みを返した。


---


うわ何だこれ、シジエルか?
当初考えていたより(というか全編に渡って)シジフォスが出張ってきて我ながらびっくり。
そんなつもりではなかったのですが…?

出だし部分が無駄に長いですが、外伝最後の、帰り着いた聖域でのやりとりって見てみたかったので。
前もやったけど「エルシド『様』だ」は鉄板。

シュラは両腕とも「聖剣」で(両足は「聖剣」とは言ってないけど両手とともに「鋼のようにとぎすまされている」らしい)、外伝ではエルシドも、フェルサーと戦うときもボペトールに止めを刺すときも左腕だったりして、左右の腕両方使うんですよね。
それが本編では失っても「右腕」のみで戦うんですよ。その間に何があったのか?という勝手な推測。

参考台詞を外伝単行本で探してたら見つからなくて、あ、そうだ、変更前の台詞だったと自分で作った変更一覧を参照。ふむ、役に立つじゃないか(手前味噌)。
アニメ台詞やシーンも参照してます。脚本欲しいなー(エルシド関係台詞はかなり書き出し済)。

アニメにはつい、いろいろ言っちゃいますが嫌いじゃないですよ! 動いてしゃべるエルシド様が見られる日が来ようとは、まさか夢にも思わなかったよ(ちょっと大げさ)。
是非是非、第3章以降の製作を! エルシド様が出なくても絶対買うから!!
 

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非公開
自己紹介:
8月20日獅子座生まれ。
2008年頃に、ひょんなことで車田正美の漫画『聖闘士星矢』にはまる。漫画を読了後、アニメもOVA・TV版・映画版と観て、ギガントマキア・ロストキャンバス・エピソードGなどのスピンオフ作品にまで手を伸ばす。
トータルでの最愛キャラは車田星矢の黄金聖闘士、双子座のサガ(ハーデス編ほぼ限定)なのだが、このところ何故かロストキャンバスの山羊座の黄金聖闘士エルシドにはまっている。全然タイプは違うのだが、格好良さに惚れた。
二次創作は読むことはあっても書くことはないと思っていたのだが(いやかつては読むこともしなかったのだが)、とうとう禁?を破ってこんなことに。
このサイトは二次創作に特化させた「エルシド別館」なので、ロストキャンバスの新刊の感想等はこちらの「本館」のブログのカテゴリー「聖闘士星矢」を参照されたい。

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