久しぶりの更新です。
最近書いてないので、書きやすい人たちでリハビリ小話。
マニゴルド、カルディア、デジェル、セージ様。
オリキャラは出ません。
またしてもpixivの方に、唐突ですが、無印白銀年長組、エピG時代設定の小話「マガモノ」を出しました。お気が向かれましたらどうぞ。
岡田先生、エピG完結おめでとうございます! 楽しませていただきありがとうございました。
エピGはシュラも格好良かったです!
帰ったらすぐ報告に来るように、とか言ってたよなあ。思っていたより遅くなった。もうすっかり夜だ。そしてわざわざ来たのに教皇の間はもぬけの殻だ。アテナ様はもうお寝んねの時間なのは仕方ないとして…。
「教皇様でしたら、今夜は星見に行かれています」
出てきた女官が教えてくれた。
「スターヒルか? なら俺は用無しだな」
「いえ今日は天文台の方に。デジェル様とカルディア様がご一緒です」
「ああ? デジェルはともかく何でカルディアの野郎まで…」
しょうがねえ。ちょっと様子を見に行ってくるか。
天文台の中は、目が闇に慣れるように赤い覆いで抑えられたわずかな明かりが点してあるだけだ。だが夜目の利く聖闘士ならそれで十分過ぎるくらいだった。
「おお、マニゴルド、遅かったな」
「すみませんね、手際が悪いもんで」
教皇にそんな減らず口をたたけるのは、唯一の弟子である蟹座の黄金聖闘士のマニゴルドだけだ。
「難しい任務だったのか? 貴方の手をもってしても」
「どうせ、どっかで遊んでたんじゃないのか?」
デジェルがやや心配そうに言うのへ、カルディアがまぜっかえす。
「んなわけねェだろうが。ガキは黙ってな」
「俺たちはもうガキじゃないぞ」
「(そういうこと言うのがガキなんだよ。)へいへい、かわいい後輩諸君はちょっと静かにしていてくれますかね」
マニゴルドは手をひらひら振ると、教皇に向かって手短に報告を述べた。
「ふむ。ご苦労だった」
「ま、俺にかかればそんなもんですよ」
教皇が満足そうにうなずくのへ、マニゴルドは当然のごとく答えた。
「慢心するでない。お前もまだまだ未熟者の分際で偉そうにしおって」
「お師匠にかかれば誰でも青二才でしょうが」
デジェルはおとなしく待っていたが、ちらりと心配そうに窓の外の星空を見やった。時が移る。星の相は刻々と変わる。
「さてと、行くぞ」
マニゴルドはカルディアの首根っこをつかむようにして、ともに部屋から出た。デジェルが微かに感謝のまなざしを送ってよこす。教皇も穏やかに笑みを浮かべたまま、何も言わなかった。
「おい…!」
カルディアが目をむいて抗議する。
「俺たちがいても仕方ないだろうが。それに邪魔してやるなよ、せっかくのお楽しみを」
デジェルはいつも教皇との星見の時間を心待ちにしている。そして教皇も熱心なデジェルに星見を教えるのを喜んでいる。不肖の弟子の自分には全くやる気がないからだ。
「…わかってるけどな」
ふてくされたような表情のまま、カルディアはつぶやいた。デジェルがいないと退屈なのだ。だから今も星見には大して興味がないのにくっついてきたのだった。
「デジェルが戻ってくるまで、付き合ってやるよ。いける口だろう、お前」
「はっ。しょうがねえな」
カルディアは大仰にため息をつきながらも、にやりと笑った。
天蠍宮で酔いつぶれて寝てしまったカルディアを、マニゴルドはベッドの上に転がしてやった。
外に出て目を細めてみる。二人はまだ天文台にいるようだ。今夜はよく晴れている。徹夜する気かもしれない。
「やれやれ、お師匠もあいつも物好きだよなあ」
マニゴルドはつぶやいて、巨蟹宮に戻るべく、階段を下っていった。
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天文台ってどこ?(笑)
スターヒルは教皇以外の立ち入りは禁じられているので、デジェルが星見の助手を務めるのは別の場所のはず、ということで。
単行本13巻146ページのイラストには望遠鏡があって円形の大きな窓のある部屋がありましたがそこ? 教皇の間の近くってことにしました。嬉しそうなデジェルさんと、つまんなそうなカルディアくんがおかしい。聖衣は着てるけど、二人ともまだちょっと幼い感じでかわいい。
気配りマニさんと、本当はわかっているカルディアくん。
サーシャがアテナとしてお披露目された、聖戦の5年前より後、2年前くらい?と思ったけど、あのイラストを見ながら書いていたら思いのほかデジェルカルディアがかわいくなったような。
聖戦時22歳のカルディアくんが5~2年前に飲酒可能年齢かどうかは、まあ18世紀だし、17歳でガーネットさんの夜会に行ってたデジェルさんを思えばOKか。
だんだんLC黄金よろずサイトになってきたような。
エルシドさんを最近書いてないな~ついったでぶつぶつ言っていたらちょっと書きたくなってきたけど…エルシドさんは難しいんですよ!
2008年頃に、ひょんなことで車田正美の漫画『聖闘士星矢』にはまる。漫画を読了後、アニメもOVA・TV版・映画版と観て、ギガントマキア・ロストキャンバス・エピソードGなどのスピンオフ作品にまで手を伸ばす。
トータルでの最愛キャラは車田星矢の黄金聖闘士、双子座のサガ(ハーデス編ほぼ限定)なのだが、このところ何故かロストキャンバスの山羊座の黄金聖闘士エルシドにはまっている。全然タイプは違うのだが、格好良さに惚れた。
二次創作は読むことはあっても書くことはないと思っていたのだが(いやかつては読むこともしなかったのだが)、とうとう禁?を破ってこんなことに。
このサイトは二次創作に特化させた「エルシド別館」なので、ロストキャンバスの新刊の感想等はこちらの「本館」のブログのカテゴリー「聖闘士星矢」を参照されたい。
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