百八人の冥闘士の中でも最強を誇る冥界三巨頭のひとり天猛星ワイバーンのラダマンティスの誕生日お祝い企画「Wyvern Fest」様への参加作品になります。
ラダマンティスとミーノスですが、CP表現はありません。
オリキャラは出ません。
(2013.11.12)
「Wyvern Fest」終了につき、前書きを通常モードに変更しました。
主催者様、参加させていただき、ありがとうございました!
「あなたはどうしていつもそう仏頂面してるんですかねえ」
「これは地顔だ。放っておいてくれ」
「昔はもっとかわいかったものですが。この癖っ毛は変わらないのに」
ミーノスはラダマンティスの髪を引っ張った。
「おい、やめろ、貴様…」
昔?
あれはいつのことだったか?
クレタ島。母がいて、兄弟たちがいて。髪を引っ張ったの引っ張らなかったのと、ささいなことでけんかしたり、笑いあったりした子ども時代。
「思い出しましたか? 親愛なる我が弟殿」
「やめろ、気色の悪い」
「つれないですねえ。血を分けた兄弟だったというのに」
ミーノスは嘆かわしげに頭を振って立ち上がった。
「さて、ハーデス様とパンドラ様が皆をお呼びのようですよ。私たちも行かなくては」
「ああ」
扉の前で足を止めて、ミーノスは振り返った。
「冥闘士としては意味はないかもしれませんがね、次の機会があるかどうかわかりませんから言っておきます。おめでとうございます。今日は貴方の誕生日でしょう」
「…!」
「『生前』は世話にもなりましたしね。兄としてお祝いぐらい言わせて下さいよ。貴方という存在がこの世界に生まれた日に」
ミーノスは優雅な仕草で会釈をすると、扉を開けて先に出て行った。
確かに、かつて兄であったあの男がクレタの王位を求めたときは、秩序を守る立場から俺はあいつを支持したことがある。その後も兄が王位を確立するのを手助けしたのだった。
しかし誕生日、とはな…。よく覚えていたものだ。俺ですら忘れていたものを。ラダマンティスは苦笑した。あいつも、妙なところで律儀な男だ。
「どうしました?」
廊下の先でミーノスがこちらを見ていた。
「何でもない。今行く」
俺たちは今はハーデス様の冥闘士だ。もはや誕生日を祝うような人間ではない。だが、この身が多少なりともハーデス様のお役に立つのなら、誕生日にも、今日という日にも、少しは意味があるのかもしれない。
ラダマンティスは微かな笑みを浮かべながら、広間に向かって歩いていった。
---
超短い上に、あんまりお祝いになっていない話ですみません!
ミーノス様の方が目立ってますね。
一応LC設定なのですが、無印の二人と考えても差し支えないかも。
時間軸は本編2巻で魔星たちが召集され、ミーノス様が出撃する前、というあたりです。
基本はギリシャ神話由来のネタです。
LC外伝牡牛座編に出たラダマンティスのオリジナル(違?)ネタをちょこっと使ってありますが、全然本筋じゃないところなので、単行本化の前ですがお許しください。
「翼竜の情」以来、当サイトでは2回目のラダマンティスです。
ラダマンティス様、お誕生日おめでとうございます!
(ちょっと早い上に、LCやオリジナルの神話の人の誕生日は不明ですが)
貴方のハーデス十二宮編OVAの戦いっぷりと、LCで心臓なくなってからが、特に好きです!(笑)
2008年頃に、ひょんなことで車田正美の漫画『聖闘士星矢』にはまる。漫画を読了後、アニメもOVA・TV版・映画版と観て、ギガントマキア・ロストキャンバス・エピソードGなどのスピンオフ作品にまで手を伸ばす。
トータルでの最愛キャラは車田星矢の黄金聖闘士、双子座のサガ(ハーデス編ほぼ限定)なのだが、このところ何故かロストキャンバスの山羊座の黄金聖闘士エルシドにはまっている。全然タイプは違うのだが、格好良さに惚れた。
二次創作は読むことはあっても書くことはないと思っていたのだが(いやかつては読むこともしなかったのだが)、とうとう禁?を破ってこんなことに。
このサイトは二次創作に特化させた「エルシド別館」なので、ロストキャンバスの新刊の感想等はこちらの「本館」のブログのカテゴリー「聖闘士星矢」を参照されたい。
何かありましたら
mcbt★br4.fiberbit.net
まで(★を@に)。
Powered by "Samurai Factory"