ラダマンティス独白。
聖戦のさなか、パンドラ様に呼び出されたとき(本編単行本7巻)の、一瞬浮かんだ思い。
LC外伝9巻ハスガード編のコル・タウリさんの回想になんとオリジナルが出たので(違?)。
外伝ハスガード編の単行本が出たので解禁します。大したものではありませんが。
雑誌掲載後にぱーっと考えましたが、今回アップするにあたって、少し手を入れました。
「クレタ島の記憶」は、先にこの話を考えたあと、お誕生日企画提出用に作り直したものです。
オリキャラは出ません。
あれはいつのことだったか?
「どうした、ラダマンティス」
ふと立ち止まったラダマンティスに、アイアコスは不審そうな目を向けた。
「いや…」
ふいに脳裡に浮かんだ一つの状景。何代もの冥闘士としての記憶とは別の。三巨頭のもう一人と俺がまだ人間の、兄弟であった頃。あれからどれほどの時が過ぎたのだろう。
クレタ島。母がいて、兄弟たちがいて。父はいなかったが、その代わりに工匠ダイダロスの造った巨大で心優しい自動人形の守護者がいて。ささいなことでけんかしたり、笑いあったりした子ども時代。ふん、ミーノスは母の見ていない隙に俺の髪を引っ張るような、あの頃から性格のひねくれた奴だったな。今から思えば取るに足らない、文字通り『子どものけんか』だったが。それでもあの男が長じてクレタの王位を求めたときは、秩序を守る立場から俺はあいつを支持したものだ。そして…時が流れて地上の生を終え、俺たちは冥界の審判者になったのだ。それからも数多くの転生を重ねた。繰り返された聖戦でともに戦った、かつての『兄』であったミーノスは、今生の冥闘士としては、もういない。
あのときの自動人形も、数年前ついに最後の一体が壊れたという。俺たちを守るために造られた自動人形。まだ動いていたものがあったとは驚きだ。俺ですらとうに忘れていたものを。ギガスの復活の阻止に一役買ったとか。今ギガスなどに出てこられては面倒だ。あれらも少しは役に立ったというべきか。そこに居合わせたという牡牛座の黄金聖闘士も先頃始末されたとか。
「ラダマンティス、アイアコス、参りました」
「お呼びでしたか、パンドラ様」
今さら興味はない。人間であったことなど、ましてやゼウスの息子であったことなど、もはや無意味なこと。俺はハーデス様の冥闘士。今はただ、ハーデス様の意に従うのみ。…俺もハーデス様の守護者のようなものだ。自動人形と同じようなものかもしれんな。
ラダマンティスは皮肉な笑みを浮かべながら、その記憶を振り払った。
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別チャン9月号(8/12発売)の回で、初めて読んだときメインストーリーよりエウロパさんの名前の出てない子が気になりました。
エウロパの子どもたちって…三人のうち一人は「ミノス」って出てたけど、一人はラダマンティスのはず…。
単行本113ページでお母さんの左側のセンター分けの子が「ミノス」、そのコマで抱っこされてて2ページ前でミノスに髪を引っ張られたと言っている子が癖っ毛なのできっとラダマンティス。まだ眉毛つながってないけど…! 右下の子はサルペドンかな。
ミーノスとラダマンティスってゼウスの息子なんですよねー。母親は別だけどアイアコスも。
しかし「アルデバラン」編、ああ来られると、外伝その後話は全然必要ないような感じだなあ。
全部公式でやられてしまった~。でも何とか考えたいです。
2008年頃に、ひょんなことで車田正美の漫画『聖闘士星矢』にはまる。漫画を読了後、アニメもOVA・TV版・映画版と観て、ギガントマキア・ロストキャンバス・エピソードGなどのスピンオフ作品にまで手を伸ばす。
トータルでの最愛キャラは車田星矢の黄金聖闘士、双子座のサガ(ハーデス編ほぼ限定)なのだが、このところ何故かロストキャンバスの山羊座の黄金聖闘士エルシドにはまっている。全然タイプは違うのだが、格好良さに惚れた。
二次創作は読むことはあっても書くことはないと思っていたのだが(いやかつては読むこともしなかったのだが)、とうとう禁?を破ってこんなことに。
このサイトは二次創作に特化させた「エルシド別館」なので、ロストキャンバスの新刊の感想等はこちらの「本館」のブログのカテゴリー「聖闘士星矢」を参照されたい。
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