「手合わせの夢」

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「貫くもの」への拍手とコメント、ありがとうございました！（うわーお二方も！）　大変励みになります！
ぶっちゃけ、原作補完話とか、自己満足で需要はないと思ってました。

直前のテンマくん話「貫くもの」では原作の設定を崩さず、でいったのであんな感じになりましたが、平時での出会いをやっぱり見たかったよなあ…あれだと新しい展開もなくてちょっと自分でも物足りないし、ということでやってしまいましたｉｆ捏造話。
もしも夢界に行く前、聖域で出会っていたら？という一コマです。
完全に原作からも、今まで出したものともつながっていないパラレルになります。
こんなことがあったら良かったな、というこれもある意味「夢」小説。

オリキャラは出ません。

パラ銀の朝の「Ω」は大変なことになりそうですが、遠方からいらっしゃる方は観られないかな？
前日の「セインティア」も楽しみです。
　

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「勝者！　テンマ!!」
「新たな天馬星座の聖闘士誕生!!!」
　聖域に来て二年。やっと聖闘士になることができた。人は早いっていうけど、これでも遅すぎたくらいだ。前に冥闘士が聖域に侵入したとき、俺一人ではサーシャを守れなかった。あのときのことを思うと、聖闘士になったからといってまだまだ十分とは思えない。もっと、強くなりてェ…!!!
　せっかく聖闘士になったんだ、同格とはもちろん言えないけど童虎に手合わせしてもらおう！と意気込んで来たら、童虎はしばらく任務で聖域をあけているという。
「ちぇぇぇーー」
　しょうがねぇ、一人で修行するか。耶人はまだ聖闘士になってないし。俺が追い越しちまったってちょっと機嫌悪そうだったしな…。
　日が暮れかかった修練場には人がほとんどいなくなっていた。ふと、少し離れたところからの強い小宇宙を感じた。誰だ？
　目の前を、黄金の光が走った。大地を割る小宇宙の輝き。
「すげえ…」
　まばゆい黄金の聖衣を纏った姿がこちらを向く。
「あんたは…？」
「俺は山羊座のエルシド。天馬星座か。こんな場所で何をしている？」
「いやもうちょっと修行をって…。あんたすごいな！　童虎から、山羊座の剣は聖闘士最強の刃って聞いたことがあったけど。俺と手合わせしてくれないか？」
　エルシドは目の前の少年を見た。天馬星座は今日の御前試合で聖衣を獲得したと聞いていた。それが二年前天秤座の童虎が見つけてきた、すでに小宇宙に目覚めていたという前途有望な者だとも。
「良かろう。かかってくるがいい」
「おう!!!」

　こちらが全力で打ち込むのを、難なく受け流されてしまう。しばらくしてエルシドの左腕が一瞬動いたのが見えたと思ったら、容赦なく地面に叩きつけられていた。
「まだまだ!!」
「なるほどいい拳だが」
　起き上がったところへエルシドの斬撃が迫る。手加減してくれたらしく何とか持ちこたえたが、それでもすごい衝撃だ。
「まだ足りんな、天馬星座」
　再び横殴りの斬撃が飛び、続けて強烈な蹴り。今度は見事に吹っ飛ばされた。
「はあ～やっぱり黄金聖闘士はすごいな」
「今日聖衣を得た者としては、上出来だ」
「また手合わせしてくれよな！」
「ああ」
　俺の勢い込んだ声に、無表情なその黄金聖闘士が、少し笑ったように見えた。

＊

　何がなんだかわからないうちにモルペウスの野郎を倒したと思ったら、周囲が崩れてきた。
　げっ……と思った瞬間、落ちてきた瓦礫を斬り裂く黄金の光が走った。前に見たことがある黄金の光。
　その向こうから現れたのは。

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原作からはつながっていないけど、原作につなげてみました。
このネタの発想元になってくださったＡ様、ここは見ていらっしゃらないと思いますが、ありがとうございました！

こういう状況がもしあったら、テンマくんはエルシドさんに懐くんじゃないかなあと思います。
エルシドさんも口には出さないけど、結構テンマくんが気に入るんじゃないかな！

聖域にいたテンマくんが、戦いの場ではないところで、黄金聖闘士さんたちと会っていたらどうだったかなあと。あ、アルデバランとはありましたよねー。
黄金さんたちは、原作では登場すると（テンマくんと会うと）、それが死亡フラグなんですよね…。シオンと童虎以外みんな死ぬ、という既定があるので。辛くなりそうなのでＬＣは読まずに、絶対生き残ることがわかっているエピＧの方だけを読もうかなあと思ったときもありました。でもＬＣの黄金さんたちはみな全うして死ぬので、思っていたより辛くはなかったです。

私がＬＣを読み始めたときはもうエルシドは死んでいたので、読みながらはらはらするという体験ができずに残念？でした。初見のときからすぐにエルシドに入れ込んだわけでもなかったし。それがどうしてこうなった。自分がまさか二次創作だの夢小説だのをやることになろうとは…。

エルシドと、エルシドに縁があった人たちとのことを書こう！という一人エルシド祭り。
シジフォス→テンマ（×２）→次はやっぱりあの人かな～