シジフォスとエルシド。
エルシドが黄金聖闘士になって聖域に来たとき。
単行本前ですが、シジフォス外伝のネタちょっとだけ入ってます。
オリキャラは出ません。
明日は名古屋オンリーですね!
行かれる方、楽しんで来てください~。
エルシドが山羊座の黄金聖闘金士に選ばれた。
聖域近辺が主な修行地でない初めての黄金聖闘士だった。すでに黄金聖闘士になっている年長の三人も、間もなく黄聖闘金士になるだろうと言われている教皇セージの直弟子の蟹座の候補生も、みな聖域が修行地だ。魚座の候補生も近隣の毒薔薇の園で修行している。
教皇の間を辞したエルシドを案内して、射手座のシジフォスは上から三番目の宮の入り口で立ち止まった。
「ここがこれから君の守護する磨羯宮だ。俺の人馬宮は隣だ。わからないことがあったら何でも聞いてくれ」
エルシドはうなずいて、言葉少なに礼を述べる。
聖域に来て緊張しているのだろうか? 体型も精神も、十七歳と言えば聖闘士としてはもう子どもではない。それでもその無表情な顔が気にかかって、シジフォスはつい口にしてしまった。
「『エルシド』か…英雄の名だな。それは重くないか?」
エルシドは怪訝な顔をしてシジフォスを見やった。
「名が大きければそれに見合うように自分を鍛えたいと思う」
思ってもいなかったことを聞かれた、という顔ながら真面目に答えるエルシドに、シジフォスは慌てたように言った。
「いや、つまらないことを言った。忘れてくれ」
シジフォスは弱冠二十歳とはいえ、黄金聖闘士になってすでに七年、まだ揃っていない黄金聖闘士の実質上の最年長者で、聖闘士たちの面倒見の良いまとめ役だった。黄金聖闘士の最年長者は魚座のルゴニスだが、ルゴニスは弟子に魚座の特殊な耐毒修行を行なっているため、近年ほとんど十二宮には顔を見せなくなっていた。
新参の者は、そのシジフォスが『英雄の弟』とそしられていたことを知らない。『英雄』その人のことすら、すでに過去の記憶、一つの時代の記録になりつつあった。
『それは重くないか?』
エルシドはシジフォスの去った人馬宮の方を見つめた。あの言葉はどういう意味だったのだろう。自分のことを気遣ってくれたのはわかったが、それだけではなかった気がした。まあいい。いずれわかることもあるだろう。
エルシドは肩をすくめ、自分が預かった磨羯宮の中へ入って行った。
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シジフォス外伝関連話を考えていたら、エルシドの話になっていました。
シジフォス外伝、いつにもまして生き残りがいない…ていうか、関係者しかいない。イリアスさんの奥方とか出ないかなーと思ったんだけど。
そもそもイリアスさんがどうして『英雄』と言われるようになったか知りたいなー。
エルシドさんはシジフォスが葛藤していたころを多分知らないよね。修行地、聖域じゃないし。きっと『英雄』イリアスさんのことも直には知らない。
エルシドが聖域に来た頃は、シジフォスはもうすっかり頼りがいのある憧れのお兄さんポジで…。エルシドさんはあんまり人の心の機微とかわからなさそうだしな…。
LCの時代の黄金さんは修行地聖域近辺が多そうだよね。多分カルディアくんも。
一つずつ年の違う年長組に対し、その最年少のアスプロスとはエルシドも一つしか違わないけど、おそらくずっとともに聖域で修行していた年長組とは、心理的にもきっと離れた感じがしてるよね。次期教皇とも目されているアスプロスと違って、エルシドは自他ともに教皇候補になることはないと思われているだろうし。
あまり関係ないけど、最近実在のエルシドさんの研究書を読みました。興味のある方はこちらを。
2008年頃に、ひょんなことで車田正美の漫画『聖闘士星矢』にはまる。漫画を読了後、アニメもOVA・TV版・映画版と観て、ギガントマキア・ロストキャンバス・エピソードGなどのスピンオフ作品にまで手を伸ばす。
トータルでの最愛キャラは車田星矢の黄金聖闘士、双子座のサガ(ハーデス編ほぼ限定)なのだが、このところ何故かロストキャンバスの山羊座の黄金聖闘士エルシドにはまっている。全然タイプは違うのだが、格好良さに惚れた。
二次創作は読むことはあっても書くことはないと思っていたのだが(いやかつては読むこともしなかったのだが)、とうとう禁?を破ってこんなことに。
このサイトは二次創作に特化させた「エルシド別館」なので、ロストキャンバスの新刊の感想等はこちらの「本館」のブログのカテゴリー「聖闘士星矢」を参照されたい。
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