外伝その後シリーズ第14弾。ここはやはり杳馬さんも。シオン関連その2。
今回もその後というより外伝後半の幕間、やはり暗く新味はありません。
天魁星、およびカイロスについての独自解釈があります。
オリキャラは出ません。
「ありえざる悪夢」への拍手とコメント、ありがとうございました! 気づいていなくて、そして思いっきり暗い感じですみません…。
東京MXテレビのLCアニメ放映、ミーノス対アルバフィカ戦が終わって、ああ、乙女座って性格悪いって改めて思ったけど…アスミタさん美人だね。
ちくしょう…脱け出してやる…こんなところ…俺は神だ。
冥闘士の理に縛られているせいか、さすがに簡単じゃねえ…余分なものは切って捨てて、力をなるべく集中させねェと…何としても脱け出してクロノスの奴をぶち殺してやる…
ふと、ふわりと真綿でくるまれているような心地良さを感じた。ん? 何だ? あァ、ここにいるんでもいいか…? 誰かの手がそっと添えられているような…。誰だ? 力を集中させるために思考を…記憶を切り捨てたので、その暖かい手が誰のものか思い出せない。
いやいやいや俺はカイロス、神だ。そして何としてでもクロノスの奴に復讐してやるんだ。もう何度目かもわからない地上の生のことなんざ思い出す必要もねェ。さァ、この数珠玉をこじ開けてやる…!
そしてカイロスは包まれていた手を振り払った。何を切り捨てたか自覚もせず。
「やれやれ、やーっと抜け出せたぜ」
カイロスはぼやいた。神の道でズタズタになった体を戻すために自分の「時」を巻き戻し、冥闘士として封じられた数珠玉から抜け出すのには、いかに魂は不滅の神といえど、並大抵のことではなかった。
「ちっ、アテナとハーデスの聖戦に介入して天界をひっかきまわしてやるには手っ取り早いと冥闘士になる体に転生してみたら、とんだ災難だったぜ。二度と冥闘士なんぞやらねえぞ…。まあもうひと働きしてもらうがな…天魁星の冥衣さんよ」
カイロスはひとりごちると立ち上がった。
「さあて、ここが最後の分岐点、ひとつ聖域をつぶしてくるか!」
*
ああ、思い出したぜ…あのままパルティータちゃんに抱かれながら寝てた方が良かったかなァ…
俺たちは似合いの夫婦だったんだぜ…オメエは信じられないかもしれねェけどよ、なァテンマ…
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再登場したとき、カイロスがもう杳馬とは名乗らなくて、最初パルティータのことを全然言わないので(最後の方で言ってますが)。
時の神の片割れカイロスが、最上級の冥闘士・天魁星メフィストフェレスであるのは今回限りのことなんじゃないか、ということにしてみました。
カイロスはまた生まれ変わるかもしれないし、天魁星の宿命を持つ者もまた現れるかもしれないけれど、それは「杳馬」にはならないという。
カイロスはハーデスの器も自分勝手に捻じ曲げたっぽいし、天魁星を乗っ取るのもできるんじゃないかなあとか。
あのまま数珠の中にいたらまた冥闘士として200数十年後に蘇ってしまうのか? カイロスとしての蘇りがそれより短いスパンで起きていたのならその方が楽なのかなあ。アスプロスが言っていたのはそういうこと?
そのカイロスがシオン外伝の敵役だったわけですが、私たちの知っているこの「歴史」が改変されてしまうかもしれないという重要な物語の敵として、神であるこの男は適任だったのかもしれませんが、個人的にはパルティータさんと終わっていて欲しかった気もします…。
杳馬とパルティータの二人の話も書いてみたいです~。
しかし「悪魔(メフィストフェレス)」の別名を持つ最上級の冥闘士にして神であるカイロスに「悪魔」って言わせるアスプロス、どんだけだよ…いいね!
2008年頃に、ひょんなことで車田正美の漫画『聖闘士星矢』にはまる。漫画を読了後、アニメもOVA・TV版・映画版と観て、ギガントマキア・ロストキャンバス・エピソードGなどのスピンオフ作品にまで手を伸ばす。
トータルでの最愛キャラは車田星矢の黄金聖闘士、双子座のサガ(ハーデス編ほぼ限定)なのだが、このところ何故かロストキャンバスの山羊座の黄金聖闘士エルシドにはまっている。全然タイプは違うのだが、格好良さに惚れた。
二次創作は読むことはあっても書くことはないと思っていたのだが(いやかつては読むこともしなかったのだが)、とうとう禁?を破ってこんなことに。
このサイトは二次創作に特化させた「エルシド別館」なので、ロストキャンバスの新刊の感想等はこちらの「本館」のブログのカテゴリー「聖闘士星矢」を参照されたい。
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