外伝その後シリーズ第15弾。老双子関連その1。セージ様とシオンとマニゴルド。
ゲートガード関連ですがゲートガードさんは出ません。
この外伝自体が聖戦前なので、「外伝その後」といっても今回もLC当代の聖戦より前のできごとになります。
オリキャラは出ません。
「ありえざる悪夢」、「続・文化祭」への拍手ありがとうございました!あー、LCが遂に完結してしまいました!
本編が終わった後はすぐに外伝の発表があったのであまり寂しくはなかったのですが…ああ、今度こそ終わってしまったのですね。他のスピンオフ作品の何かの折にまた掌編くらい出るかもですが。
本編25巻、外伝16巻、計41巻。改めて巻数を見ると長いですね。手代木先生、お疲れ様でした。そして今までありがとうございました!
このような場ですが、心からの感謝を。
ハクレイ殿、セージ様、誕生日おめでとうございます!
外伝最終16巻巻末にキャラクターデータが載って大変嬉しいですが、単行本未収録の掌編もあるので、是非資料集を出して下さい! その際にはチラッと出ていた名もなき白銀勢も含めて、年齢・必殺技・出身地・(聖闘士は)修行地などもよろしくお願いします! そして年表とかで、エルシド外伝が本編の何年前だったかわかれば…!
東京MXテレビのLCアニメ放映、第二期に入ったはいいけど、野球放送が始まって開店休業状態。こんないつやるかわからない状態にするなら、いっそ野球シーズンが終わるまですっぱり休止にするか時間帯を変えた方が…。アニメしか観ていない人が前の話を忘れちゃうし、もう終わったんだと思われちゃうよ。せっかく地域限定とはいえ地上波放映で新しいファンもできつつあるのに…。視聴率も下がっちゃうだろうから、第三期以降の要望も出にくくなるじゃないか。うーん、ゴールデンタイムの放映に思わぬ落とし穴。
ストーリーはベロニカ戦の最中で、そろそろマニゴルドの見せ場です(7/13、7/27には放送があるらしい…)。
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「…以上です」
シオンは教皇への任務の報告を終えた。
「ご苦労だった。ああ、当面緊急の任務はないゆえ、白羊宮で休養しつつ待機しておくように」
「はっ。良い機会なので慰霊地にある聖衣の修復に励みます」
黄金聖闘士にして聖衣の修復師でもあるこの男は、年若いが働き者だ。ゆっくり休ませてやりたいところだが、聖戦も間近い。その技に負うところが大きいのは事実。教皇セージは苦笑しながらうなずいた。
「あまり根を詰めすぎるでないぞ」
「心得ました」
すぐに出て行くと思いきや、シオンはなかなか立ち上がろうとはしない。
「何か聞きたいことがあるのか?」
「は…実はこの牡羊座の聖衣のことで…」
「ふむ」
先日聖衣を得てきたシオンとマニゴルドの報告、およびジャミールの族長の兄ハクレイからの話で、聖衣にはアヴニールの記憶が宿っていることは聞いていた。
「そのアヴニール殿の記憶の前に、妙にきれぎれな感じでもう一人の牡羊座を感じるのです。聖闘士としての小宇宙を感じるのですが、何故か幼い子どもの姿で…それだけでもなく…うまく言えないのですが」
「それは我らの時代の本来の牡羊座、ゲートガードであろう。そうだな、そなたには詳しい話を聞かせておくべきであろうな。ここではなんだ、場所を変えよう」
教皇は謁見の間から訪問者も腰を下ろせる別室へシオンを伴った。
「しばし待っておれ」
教皇が場をはずしている間に女官が飲み物を持ってきた。間もなく教皇が戻ってきた。
「では話して聞かせよう」
*
「…これが事の顚末だ」
セージは話し終わった。
「そうだったのですか…そんなことが」
闇に堕ちた牡羊座。その漆黒に染まった聖衣を浄化するように現れたアヴニール。ゲートガードについては公式の記録には『戦死』とだけ記されている。
「いつぞやイリアスとルゴニスに話したことはあったが…族長から聞いたことはなかったか?」
「いえ、一度も」
「まあ兄上も少々気恥ずかしかったのかもしれんな」
教皇は珍しく、楽しそうな表情を浮かべていた。
「あの人が、ですか…」
シオンは少々複雑な気分になった。だが、そうだ、この方たちにも激闘の時代があったのだ。そして今の話に続く前聖戦において、ほとんどの聖闘士が斃れていったのだった。
「ありがとうございました。お時間を取らせまして申し訳ありませんでした」
「いや。そなたは知っておいた方がよい。すぐに話しておくべきだったかもしれぬな。こちらこそすまなかった」
「いえ、そんなことは…。改めて、ありがとうございました」
教皇の言葉にシオンは頭を下げて礼を述べ、出て行った。
「聞いたな?」
教皇が続きの間の方へ声をかけると、マニゴルドが現れた。シオンの前に任務の報告に来ていたのだが、報告後の雑談中にシオンが来た旨が知らされ、帰ろうとしていたところをセージに止め置かれ、そのあと隣室で話を聞いているように言われたのだ。
「なんで俺がいるのをあいつに言わなかったんだ?」
「牡羊座の聖闘士のことだからな。あまり良い話でもない。シオンが気にするかもしれんと思ってな」
この弟子がこのような話をやたらと吹聴することはないとわかっている。
「だがお前にも今の話を聞かせたわけはわかっているな。もし私が正義の道をはずれたら、お前が、若いお前とお前の仲間たちが私を止めるのだ」
「お師匠がそんなことになるわけないじゃねェか。だいたい先代の教皇様と約束したんだろ? それにジジィになった今でもあんたは人間に絶望しているようには見えねェぜ」
「それでもだ。お前も約束してくれ。今代の黄金聖闘士としてな」
「…わかったよ」
マニゴルドはふてくされたように、そっぽを向きながらも答えた。
「お前とゲートガードは境遇が似ておるから心配なのだ。まあお前はゲートガードのように素直で一途ではないから大丈夫だとは思うがな」
「ひっでェな…それ褒められてると受け取っておくぜ。あんただって話に出てきた教皇様と違って、全然優しくない腹黒ジジィじゃねェか。修行には厳しかったしよ」
セージはからからと笑った。
「イティア様もなかなかだったのだぞ。私と兄が初めて聖域に来たときは、私たちの覚悟を見極めるためにどちらかは排除する、という芝居をなさったのだからな」
「なんだその話…聞いたことねェぞ」
「では話してやろうか? 夕餉に付き合うがよい」
「へいへい」
久しぶりの師弟の会食に、マニゴルドも文句を言う素振りを見せながらも楽しそうに笑った。聖戦直前の、束の間の平穏な時。
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外伝単行本16巻のおまけ漫画で、アヴニールさんがあのような現れ方をしたことについて考えてみました。
ゲートガードさん話にしようと思ったらセージ様とマニゴルド話になったような。そう言えば、ゲートガードさんもマニゴルドも「教皇」に拾われたんだよなって。ゲートガードさんはイティア様の聖衣を継いだわけじゃないけど。
老双子外伝、手代木先生オリジナルキャラクターがたくさん出て、大変楽しかったです。
セージ・ハクレイ時代の黄金が全員出きらなかったのが残念(全く出なかったのが三人、顔が出なかったのが三人。アエラスさんもあのあとどうなったんだ…?)
ゲートガードさんやイティア様やアルコンくんなど、こんな最後になかなか見応えのあるキャラが来るとは。
イティア様やクレスト先生の現役時代も見たかったなーと欲張りになります(あの鯨座はどんな人?とか)。でもそうなるときっとその時代の教皇の現役時代も…と、きりがないですね!
というわけで、外伝15-16巻ネタ、もう少し続きます(予定)。
2008年頃に、ひょんなことで車田正美の漫画『聖闘士星矢』にはまる。漫画を読了後、アニメもOVA・TV版・映画版と観て、ギガントマキア・ロストキャンバス・エピソードGなどのスピンオフ作品にまで手を伸ばす。
トータルでの最愛キャラは車田星矢の黄金聖闘士、双子座のサガ(ハーデス編ほぼ限定)なのだが、このところ何故かロストキャンバスの山羊座の黄金聖闘士エルシドにはまっている。全然タイプは違うのだが、格好良さに惚れた。
二次創作は読むことはあっても書くことはないと思っていたのだが(いやかつては読むこともしなかったのだが)、とうとう禁?を破ってこんなことに。
このサイトは二次創作に特化させた「エルシド別館」なので、ロストキャンバスの新刊の感想等はこちらの「本館」のブログのカテゴリー「聖闘士星矢」を参照されたい。
何かありましたら
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