「8月14日」

※当サイト初見の方はこちらをご覧ください※ 
 
フェルサー、誕生日おめでとうでした！
遅刻ですが、外伝16巻巻末の誕生日ネタ第２弾。
フェルサーの悩み話になってしまいました。あまり祝い話でなくてすみません。

オリキャラは出ません。

「10月3日」への拍手ありがとうございました！

---

「フェルサー、誕生日おめでとう！」
「…おめでとう」
　峰は明るく元気よく、エルシドはいかにもこういうことは言い慣れていないさまでぼそぼそと、二者二様に祝いの言葉を述べた。
「ああ、ありがとうな、お前たち」
　フェルサーが微笑むと、二人ともぱっと嬉しそうな顔になった。二人、同時に。
　こいつら、気づいてないようだが、本当に気が合っているんだよなあ。こんな時もそっくりだ。ふだんも求めるものは違うのに、求める姿勢は似ていて。…俺にはないものだ。
　また一つ年を取った。だが年月を重ねるほど、修行を積めば積むほど、俺には聖闘士になるための何かが欠けている気がしてくる。あの二人が持っている内なる光のごとき情熱。その光は、なぜ俺の中にはないのか。修行を続けていれば、いつかは手に入れられるものなのか。修行は確かにきつい。だが体の負担より心にかかる影の方が濃くなってきている。こいつらに頼られるのは嬉しいし、成長を見守るのは楽しみだ。楽しみなのだが…。
　少しずつ何かが綻びていく。俺にはそれが止められない。

---

フェルサーはどうも私の中で覚えが良くないようで、なんとか好意的に書こうと思ってもこんなものに。
再会時の変貌ぶりの理屈付けを探しています。終わった後も妙にエルシドによそよそしかったし、峰と一緒でないと駄目なのか？
憧れ尊敬していたエルシドには優しく頼もしく見えたフェルサーも、人知れず悩んでいたんじゃないかなあとか。昔のフェルサーはエルシドのキラキラ目線回想なので、当時からすでに何か闇落ちの芽が出ていたのじゃないかという。