「顔」

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「目」のティソナ・サイド（×オリキャラヒロイン）。連続砂糖警報。

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「お前の顔が見たい」
　その言葉に少し驚いて、仮面をはずしながら振り向くと、穏やかな笑みを浮かべていた。この人はこんな目をする人だったろうか。口数は少ないけれど、その眼差しはとても優しい。
「お前の目はきれいだな」
　そして時折、不意打ちのようにそんな言葉を口にする。その煙ったアメジストのような目の方がずっときれいなのに。
「この顔を見られるのが俺だけの特権なら光栄だ」
　手が、そっと顔にふれる。自分のよりずっと大きくて、鍛錬で硬くなった手が。まるでガラス細工を扱うように、そっと。私はそんなにもろくないのに。その眼差しに、頬が染まる。
　いつになっても、信じられない思いがする。この優しい顔は私だけしか知らないと思うと、ちょっと嬉しい。知らず、顔がほころぶ。こちらを見て、目元に浮かぶ微かな笑みが深まるのがわかる。

　朝方にふと目覚めたとき、思わず見入ってしまう、その顔。ああ、なんて端正な顔立ちなのだろうと。聖域には整った、有り体に言うと「美形」な男性が多い。ふだんの厳しい顔しか知らない者は、この顔を「端正」とは言わないかもしれない。でも私にとってはこの顔が一番だから。穏やかに眠る顔、くつろいでいるときの顔はとても優しい。
　その優しい顔を独占できる喜びをかみしめつつ、この束の間のときを抱きしめる。

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客観的に言うとね、普通エルシドに「端正」という言葉は使わないと思います。
いいの、贔屓目だから！　格好良いから！