「聖域の平和な一日、あるいは闘技場の受難（６）」

※当サイト初見の方はこちらをご覧ください※

黄金オールスター手合わせ。（０） （１） （２） （３） （４） （５） の続き。
第６戦、シジフォスvsカルディア。対戦は最終戦。
オリキャラは出ません。

アイオロスとミロはお隣だけど、車田原作ではアイオロスは死んでるし、ミロがアイオリアはアイオロスの弟である、と言うところくらいしか関連はないかなあ。

シジフォス自身とカルディアは直接話してるところはなかったよね。
ジャミールに出陣するとき同じ地面に立ってはいたけど。

スーパーミュージカル観ました！
ちゃんと「星矢」っぽくて良かったですよ！　おもしろかったです。
詳しい感想は「本館」にて。
 

---

「さてと、俺とお前が残ったな」
　シジフォスはカルディアを見て言った。
「やっぱりやるのか？　ならさっさと済まそうぜ」
　カルディアは面倒臭そうに、それでもすたすたと闘技場の中心へ向かった。
「預かっといてくれ」
　途上、かじっていた林檎をぽいと投げる。投げられたデジェルは苦笑しながら受け取った。

「おい、来ないのかよ」
　カルディアの姿にシジフォスはやや目を細める。隙だらけのように見えて、油断のない立ち姿。カルディアがいい加減に見えてやるときはやる男であることは知っている。
「来ないならこちらから行くぜ！」
　カルディアが腕を一閃させる。シジフォスが飛び下がると、今し方立っていた地面と、その背後の闘技場の座席の部分まで、すーっと筋が入った。斜めに裂け目の入った座席がその部分からずれ、地響きを立てて崩れ落ちる。
「ほう…。そんな風にも使えるのか」
　シジフォスは少し眉を上げてつぶやいた。にやりと笑ったカルディアの右手人差し指には、長く延びた赤い爪が陽光を受けてきらめいていた。鋭利な薄い刃物で切ったような、細く深いその攻撃。
「ふん、このくらい軽くかわすか」
「ではこちらからも行くぞ」
　シジフォスが弓を引くような動作をした。無数の黄金の矢がカルディアめざして飛ぶ。カルディアが腕を振るう。指先から飛んだ光がその矢を悉く叩き落す。
「なかなかやるな」
　シジフォスの言葉にカルディアは肩をすくめる。
「面倒だな…一気に片をつけてやる。まとめて喰らえ！　スカーレットニードル！！」
　カルディアの指先から赤い光が幾条も飛び出し、弧を描き互いに絡み合いながら宙を走る。
「来たな…ケイロンズライトインパルス！！」
　シジフォスの繰り出した拳から金色の光があふれ出し、辺りを覆った。黄金の光の中で、紅い光条が溶けていく。最後に残ったものをシジフォスが左の拳で受けながら払う。そして間髪入れず右拳を突き出す。
「ぐあっ」
　かわしきれなかったカルディアは体勢を崩したが、たたきつけられる寸前に身を起こす。
「惜しかったな」
「ちっ」
　最後のスカーレットニードルの一発を払った手をかばいながらも爽やかに笑ってみせるシジフォスに、カルディアは物騒に目を光らせたが、その光は一瞬で覆い隠された。
「やれやれ。あんたの相手なんざ、やってらんねえよ」
　さっさと退場の構えで歩き出したカルディアは、シジフォスの脇を通りながらぼそりとつぶやく。
「次はこんな風にいくと思うなよ」
「楽しみだな」
　シジフォスは返し、「さて」と観客席の方を振り仰いだとき、

---

この二人が残ることになったとき「どうするよ！？」とか思ったものですが、何とかまとまりました。アニメ第２章６巻で、待機にいらついているカルディアが爪で廃墟を斬っていたところを見て、「よし、これ使えるぞ！」と思いましたです。
シジフォスが爽やかだけどちょっと上から目線かな？
カルディアもシジフォスも三巨頭を圧倒したので二人とも強いはず！と思うとなかなか大変でした。

第６戦終了、やっと黄金対戦終わりましたー。
いやなんか、思っていたより難しくて難航しました。
おつきあい下さった方々、ありがとうございました。
…あとちょっとだけ続きます。

なんとなく始めてしまった黄金対戦シリーズですが、ご満足頂けるものになっていたかどうか、毎回自信がなくてひやひやでした。
黄金兄さん達は人気ありますねー。また機会がありましたら何か書いてみたいです。

漫画外伝でもカルディアくんが楽しく暴れています。シジフォスも出たよ！