―KEN NO CHIKAI― since 2010.10.23
Posted by MCBT - 2011.01.12,Wed
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いつかの誕生日。
20歳以上、26歳以下。
山羊座の黄金聖闘士の誕生日をお祝いする「黄金山羊誕2011」企画様への投稿作品です。
マニゴルド編(2010.12.27投稿)。
オリキャラは出ません。
いつかの誕生日。
20歳以上、26歳以下。
山羊座の黄金聖闘士の誕生日をお祝いする「黄金山羊誕2011」企画様への投稿作品です。
マニゴルド編(2010.12.27投稿)。
オリキャラは出ません。
---
年が明けてしばらくの、凍てついた日。
今回は蟹座のマニゴルドとの任務だった。技は、エルシドは体術系でマニゴルドは精神系なのだが、互いに補い合う状況で有効なことも多い。
「こいつは…」
さすがのマニゴルドも嫌な顔をする。少し前から戦乱で荒れている地方だが、ただの戦いの跡ではない。何かに踏み荒らされたように破壊し尽くされた村。だが不思議と死体がない。
「あれか」
エルシドは少し離れたところを歩く巨大な姿を見とめた。それも一つではない。近づくとそれぞれの巨人の体はいくつもの死体でできているのがわかった。これは明らかに自然のものではない。
「えげつねぇ…誰かが操ってやがるな…」
「そいつを探すのは任せる。俺はとりあえずあれを止める」
「承知」
生き物ではない以上、操っている者を倒さないと根本的な解決にはならない。だがそれはすでに次の村を破壊せんと進んでいる。操っている者を探すのには多少時間がかかりそうだ。それまで放っておくわけにはいかない。巨人は一応何らかの感覚があるようで、光や風にわずかに反応しながら歩いている。
ならば、とエルシドはその歩いている横手を思い切り強く剣圧で斬り裂いた。光とともに大地が裂ける。巨人がのろのろと頭を向ける。それに伴って進路が変わる。何度かそうやって村から離れた方向へ誘導する。
しばらくして、不審に気づいたのか、巨人が立ち止まる。頃や良し、と見てエルシドは素早い動きで前に進み出て、巨人の胴を狙った。一刀両断。言葉にならない声を上げて巨人が倒れる。飛びすさってよけ、返す刀で次のものを斬り捨てる。舞うがごとくの斬撃。ほとんど息を乱さず五体を倒した。だが一旦ばらばらになった死体の山が再び寄り集まって一体になろうとしている。
立ち上がったところを改めて斬ろうとエルシドが身構えていると、
「積尸気鬼蒼焔!!」
マニゴルドの声がし、傍らの茂みの中で叫び声とともに青白い炎が上がる。
「ちょろちょろ動き回って手間をかけさせやがって…」
巨人を操っていた男が燃え尽きる。それとともに立ち上がろうとしていた巨人の姿も崩れ落ちていった。
「終わったな」
「おうよ」
聖域に程近い村まで帰ってきたときだった。
「ちょっと待ってろ」
「なんだ?」
答えずにマニゴルドは一軒の店に入り、程無くして出てきた。手には酒瓶を一本ぶら下げている。
「昼間から酒か?」
エルシドがちょっと眉をひそめるようにして言うと、
「やれやれ。やっぱり忘れてるんだな。お前の誕生月だろ。折角いい酒を見繕っておいてやったってのに」
マニゴルドが大仰にため息をついて言う。
「…お前が飲みたいだけだろうが」
口ではそう言ったが、そんな気遣いをしてくれる同僚にわずかに頬が緩む。
「正確には何日だか知らねえけど、知っててもその日にうまく都合がつくかわかんねえからな。丁度いいから、ま、今日でいいだろ。磨羯宮でいいか?」
「ああ」
誕生日を祝う習慣などなかった。そのような個人的なことを意識しなくなって久しく、特にめでたい日だと思ったこともなかった。毎年任務があれば出かけ、なければ自宮で待機しながら読書でもしているか鍛錬でもしているかだった。淡々と過ごす日々の中で、今日は少しだけ良い日かもしれない。
---
あー「鬼蒼焔」の「ほのお」の別字が出ないー
ところでこの「敵」は何者なのだろう。何かのことで恨みを抱えたまま死んだけど死に切れなかった者、とかいう感じかなあ。ということで「鬼蒼焔」で燃やしてみました。
我が家設定は一応抜きでやってみたのですが、蟹さんに助けてもらいました。マニゴルドさんはいい人です。原作にはほとんど絡みはないのですが、実際問題として、この二人の任務での組合せはありだと思うんですが。
そういえば普通の任務、というか、普通に戦っているエルシドをあまり書いていなかった気がします。
格好いいエルシドを書こうと思って戦闘シーン入れてみましたが表現が乏しい。小宇宙でシーンの描写を補って読んでください。
しょぼい誕生祝い話でごめんなさい。格好いいエルシド様が書きたいです!!
エルシド様、誕生日おめでとうございます!
年が明けてしばらくの、凍てついた日。
今回は蟹座のマニゴルドとの任務だった。技は、エルシドは体術系でマニゴルドは精神系なのだが、互いに補い合う状況で有効なことも多い。
「こいつは…」
さすがのマニゴルドも嫌な顔をする。少し前から戦乱で荒れている地方だが、ただの戦いの跡ではない。何かに踏み荒らされたように破壊し尽くされた村。だが不思議と死体がない。
「あれか」
エルシドは少し離れたところを歩く巨大な姿を見とめた。それも一つではない。近づくとそれぞれの巨人の体はいくつもの死体でできているのがわかった。これは明らかに自然のものではない。
「えげつねぇ…誰かが操ってやがるな…」
「そいつを探すのは任せる。俺はとりあえずあれを止める」
「承知」
生き物ではない以上、操っている者を倒さないと根本的な解決にはならない。だがそれはすでに次の村を破壊せんと進んでいる。操っている者を探すのには多少時間がかかりそうだ。それまで放っておくわけにはいかない。巨人は一応何らかの感覚があるようで、光や風にわずかに反応しながら歩いている。
ならば、とエルシドはその歩いている横手を思い切り強く剣圧で斬り裂いた。光とともに大地が裂ける。巨人がのろのろと頭を向ける。それに伴って進路が変わる。何度かそうやって村から離れた方向へ誘導する。
しばらくして、不審に気づいたのか、巨人が立ち止まる。頃や良し、と見てエルシドは素早い動きで前に進み出て、巨人の胴を狙った。一刀両断。言葉にならない声を上げて巨人が倒れる。飛びすさってよけ、返す刀で次のものを斬り捨てる。舞うがごとくの斬撃。ほとんど息を乱さず五体を倒した。だが一旦ばらばらになった死体の山が再び寄り集まって一体になろうとしている。
立ち上がったところを改めて斬ろうとエルシドが身構えていると、
「積尸気鬼蒼焔!!」
マニゴルドの声がし、傍らの茂みの中で叫び声とともに青白い炎が上がる。
「ちょろちょろ動き回って手間をかけさせやがって…」
巨人を操っていた男が燃え尽きる。それとともに立ち上がろうとしていた巨人の姿も崩れ落ちていった。
「終わったな」
「おうよ」
聖域に程近い村まで帰ってきたときだった。
「ちょっと待ってろ」
「なんだ?」
答えずにマニゴルドは一軒の店に入り、程無くして出てきた。手には酒瓶を一本ぶら下げている。
「昼間から酒か?」
エルシドがちょっと眉をひそめるようにして言うと、
「やれやれ。やっぱり忘れてるんだな。お前の誕生月だろ。折角いい酒を見繕っておいてやったってのに」
マニゴルドが大仰にため息をついて言う。
「…お前が飲みたいだけだろうが」
口ではそう言ったが、そんな気遣いをしてくれる同僚にわずかに頬が緩む。
「正確には何日だか知らねえけど、知っててもその日にうまく都合がつくかわかんねえからな。丁度いいから、ま、今日でいいだろ。磨羯宮でいいか?」
「ああ」
誕生日を祝う習慣などなかった。そのような個人的なことを意識しなくなって久しく、特にめでたい日だと思ったこともなかった。毎年任務があれば出かけ、なければ自宮で待機しながら読書でもしているか鍛錬でもしているかだった。淡々と過ごす日々の中で、今日は少しだけ良い日かもしれない。
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あー「鬼蒼焔」の「ほのお」の別字が出ないー
ところでこの「敵」は何者なのだろう。何かのことで恨みを抱えたまま死んだけど死に切れなかった者、とかいう感じかなあ。ということで「鬼蒼焔」で燃やしてみました。
我が家設定は一応抜きでやってみたのですが、蟹さんに助けてもらいました。マニゴルドさんはいい人です。原作にはほとんど絡みはないのですが、実際問題として、この二人の任務での組合せはありだと思うんですが。
そういえば普通の任務、というか、普通に戦っているエルシドをあまり書いていなかった気がします。
格好いいエルシドを書こうと思って戦闘シーン入れてみましたが表現が乏しい。小宇宙でシーンの描写を補って読んでください。
しょぼい誕生祝い話でごめんなさい。格好いいエルシド様が書きたいです!!
エルシド様、誕生日おめでとうございます!
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プロフィール
HN:
MCBT
性別:
非公開
自己紹介:
8月20日獅子座生まれ。
2008年頃に、ひょんなことで車田正美の漫画『聖闘士星矢』にはまる。漫画を読了後、アニメもOVA・TV版・映画版と観て、ギガントマキア・ロストキャンバス・エピソードGなどのスピンオフ作品にまで手を伸ばす。
トータルでの最愛キャラは車田星矢の黄金聖闘士、双子座のサガ(ハーデス編ほぼ限定)なのだが、このところ何故かロストキャンバスの山羊座の黄金聖闘士エルシドにはまっている。全然タイプは違うのだが、格好良さに惚れた。
二次創作は読むことはあっても書くことはないと思っていたのだが(いやかつては読むこともしなかったのだが)、とうとう禁?を破ってこんなことに。
このサイトは二次創作に特化させた「エルシド別館」なので、ロストキャンバスの新刊の感想等はこちらの「本館」のブログのカテゴリー「聖闘士星矢」を参照されたい。
何かありましたら
mcbt★br4.fiberbit.net
まで(★を@に)。
2008年頃に、ひょんなことで車田正美の漫画『聖闘士星矢』にはまる。漫画を読了後、アニメもOVA・TV版・映画版と観て、ギガントマキア・ロストキャンバス・エピソードGなどのスピンオフ作品にまで手を伸ばす。
トータルでの最愛キャラは車田星矢の黄金聖闘士、双子座のサガ(ハーデス編ほぼ限定)なのだが、このところ何故かロストキャンバスの山羊座の黄金聖闘士エルシドにはまっている。全然タイプは違うのだが、格好良さに惚れた。
二次創作は読むことはあっても書くことはないと思っていたのだが(いやかつては読むこともしなかったのだが)、とうとう禁?を破ってこんなことに。
このサイトは二次創作に特化させた「エルシド別館」なので、ロストキャンバスの新刊の感想等はこちらの「本館」のブログのカテゴリー「聖闘士星矢」を参照されたい。
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