学パラ「弁当・その２」

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学ミタデフ第３弾。
我が家のメインカップルの方の「弁当」編を受けてます。

ろん様からの提供です。
エルシドさん登場してますが、アスミタさんが相変わらずです。

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「エルシド、それは何かね？」
　隣席の男が今日は見慣れない弁当を広げていたのを見て、アスミタは興味深げに身を乗り出した。勿論目は閉じたままだが、彼の同級生にそんな事を一々問いただす者はもういない。
「ああ、部の後輩がな。俺が購買部の物ばかり食べているのを心配してくれたらしい」
　どちらかと言えば表情に乏しいエルシドが、今のように顔を緩めるのは珍しい。マニゴルドやカルディアだったらここで何かしら追求したのだろうが、アスミタの興味はそこに無かった。
「……ほう」
　意味深に頷いて、彼は思い立ったら吉日とばかりに席を立った。

　聖域学園には、弁当は自分の教室で食べるべしという規則は無い。なので友人の教室に押しかけたり、連れ立って食堂で食べる生徒も少なくないが、学年違いの教室まで来る者は流石に多くない。とりわけチャイムから五分以上も経った時では。
　がらりと迷い無く開かれた扉に、一瞬クラスの生徒が揃って目を向けた。だが閉じた瞼と装飾禁止の学校で何故か黙認されている（そして追従する者もいない）赤いビンディーを見ると、皆そそくさと視線を戻した。高等部二年の『あの男』と目を合わすとろくな事が無いというのは、聖域学園の半ば伝説であり半ば教訓だ。相手のほうはどこをどう見ているのかさっぱり分からないのだから、とりあえず目は逸らすに限る。
　そうして登場だけで場の空気を若干変えてしまった当のアスミタは、教室をぐるりと見渡し、目当ての人影を見つけるとずずいと進み寄った。神仏は私に味方している、今日は珍しく一人だ。
「……何だ、アスミタ」
　こっちに来るのだろうとは思っていたが。空いた椅子を拝借して当然のように差し向かいの位置に座った悪友を、デフテロスは怪訝そうに見つめた。アスミタは彼の弁当に目を落とし、次いでぴたりと顔を合わせた。目を開けていないのに感じる眼光と威圧感は、一体どこから来るものなのだろう。
「デフテロスよ、それは毎日君が作っているのだったな」
「ああ、兄さんと揃いだ」
　どことなく自慢気なその言葉に、隣席の生徒が思わず机を引いたとか引かなかったとか。
　アスミタは教室から持ってきた自分の弁当を開いて、物言いたげに双方を見つめた。彼の弁当はさながら精進料理の風情で、量も少ない。
「……これはやはり味気無いのだ」
「そう思うなら購買でいくらでも買ってこい。さあ早く」
「私は君と同じ飯が食いたい」
　聞いちゃいない。断言した年下の友人にデフテロスはがっくりと肩を落とし、知っている限りの断り文句を探そうとして、やがて断念した。どうせ通じないに決まっているのだ。

　翌日、二年の教室ですばらしく機嫌の良いアスミタが見られたという。

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「初めは肉抜いてやったりするんだけどぶーぶー言うから結局三人お揃いになっちゃうよ！」とのことです。
三人お揃いでいちばん嫌な顔をするのはアスプロスだよね。
両方からの板挟みでデフテロスが気の毒だよ。

エルシドとアスミタは隣あった席にすわっているらしい。変人なアスミタにあまり振り回されない人ということで隣にされているとか。
でもシュラはシャカの幻影にすごく動揺してたよね。エルシドならそんなことない？

しかしエルシドさんは何でティソナちゃんと一緒に食べてないんだ？
きっとこの日は何か用があったんだよね。