「始まり」学園パラレル・バージョン

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主編と違ってほのぼのな出会い（×オリキャラヒロイン）。
エルシドさんが聖闘士の場合よりやや柔らかいです。すでにエルシドじゃないかも…。

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　いつのことだったろう。
　お店でもらった風船を持って走っていたとき。うっかりひもが手からすべり、風船が飛んでいきかけた。幸いすぐそばの木に引っかかったのだが、年の割に背の低いティソナには、垂れ下がったひもの端にあと少しで手が届かなかった。悔しい思いで見上げていたとき。通りかかった少年が背伸びをして取ってくれたのだ。
「ありがとう！」
　すごく嬉しくなってお礼を言うと、無表情だった顔が驚いたようにちょっと目を見開き、そして微かに笑った。

　一目でわかった。あのときの男の子。練習や試合の後に、「上出来だ」と時々わずかに浮かべる微笑みが、あのときと重なる。あちらは覚えていないだろうけど。それでも構わず、嬉しかった。

　笑うと、嬉しそうな表情が満面に広がる。見ているとこちらも心が和む。
「あの頃と同じだな」
「え？」
「お前は覚えていないだろうな…まだ五歳ぐらいだったか」
　ティソナが驚いたようにこちらを見る。
「…覚えていたんですか？」
「お前も…覚えているのか？」
「ええ！　だってとても嬉しかったんです…」
　少し恥ずかしそうに言う。そして、こちらを見て笑う。そう、あの笑顔で。

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らぶらぶっていいなー

前半：ティソナ視点。子ども時代＆再会後。
後半：エルシド視点。付き合い出して間もなく。

主編パラレルとして、ティソナちゃんの実の両親はとある事故か事件で…とかいうのも考えたけど、学パラであまり暗い設定にすることもなかろうと没にしました。現代的な出来事の中だと聖闘士ではない少年のエルシドが「助ける」というシチュエーションは難しいし。学パラは明るく楽しいのを基本で！