黄金オールスター手合わせ第3戦「聖域の平和な一日、あるいは闘技場の受難(3)」後、エルシドサイド。
我が家の部下たち話(オリキャラ含む)。
黄金手合わせが全部終わってからにすべきかと思いましたが、表向きの更新がないと寂しいので。
上記第3戦、出来が今ひとつな気がするのに、拍手ありがとうございます!
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エルシドが磨羯宮に帰ってきた。
「あ、エルシド様、お帰りなさい…」
任務の打ち合わせのため待っていた部下たちは腰を浮かせたが、仏頂面のエルシドの表情を見て口をつぐんだ。
「明日のことだな」
「あ、はい」
エルシドは手短に明日の予定の確認をした。
「――以上だ。時間には遅れるな」
そう言うと部屋の奥に歩いていき、置いてあったパンドラボックスに手をふれた。ボックスが開き、中に入っていた山羊座の黄金聖衣がその身に装着される。エルシドはそのまま磨羯宮を出て行った。
「…何かあったのかな?」
エルシドの姿が見えなくなると、ラスクが小声で切り出した。
「今日は黄金聖闘士どうしの手合わせがあったらしい。エルシド様の相手は双子座のアスプロス様だったらしいが…」
「情報が早いな、ツバキ。それでそのう…エルシド様は負けたのか?」
ラカーユの問いにツバキは首を振った。
「いや、勝敗はつかなかったそうだ。だが恐らくその手合わせの内容にご不満があったのだろうな」
「自分の技に、だよね」ティソナはつぶやいた。「だからまたご自分の鍛錬に行かれたのね」
「そうだろうな」
エルシドは自分の技に完成を見ず、さらに究めようとすることを怠らない。聖衣をわざわざ着て行ったのは、最強の技を磨くために違いない。自分たち風情がついていけるものではない。
ティソナは黙って立ち上がり、ある用意を整えると仲間を振り返った。
「さあ、今日はもう帰りましょう」
「エルシド様は遅くなられるだろうね…」
ラスクが言うのへ、ラカーユはうなずいた。
「だろうな」
「今日は俺たちとあまりお話しになりたくはないだろうしな」
ツバキも言った。皆わかっているのだった。手合わせがどういう経過をたどったのかはわからないが、その経緯にエルシドが己の未熟を感じて自分に苛立っていたことを。傍目には完璧に見える技も、エルシドにとってはまだまだ不十分だということを。
「そういえば、それは?」
ラカーユはティソナが用意していたものを見ていった。
「冷茶よ。お疲れで戻っていらしたときにお飲みになれるように」
「なるほど。気が利くんだな」
「大したことじゃないわ」
今、私にできることはこれくらい。わずかだけれど、少しでもお役に立てば。ティソナは磨羯宮を後にしながらそっと思った。
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ちょっと機嫌が悪いエルシドと、気にしながらも手は出せない部下たち。
夜になって帰ってきて、彼女の気遣いに気づくといいよ。
アニメのエルシドさんは部下の面倒をちゃんと見てるかなとか失礼なことを言ってしまったけど、アニメ第4巻の何度目かの見直しをしていたら、次回予告で部下を助けようと走ってる! 原作ではそこは描かれていなかったよね。部下たちが勝手に部下にしてくださいとついてきているのかもと思っていたけど、エルシドも蔑ろにしてるわけじゃないんだよね。危ないところには同行を許さないというところがエルシドなりの気遣いというか。それが部下たちには歯がゆいんだけど、君たち、自分の実力をちゃんと見極めろよ…。
2008年頃に、ひょんなことで車田正美の漫画『聖闘士星矢』にはまる。漫画を読了後、アニメもOVA・TV版・映画版と観て、ギガントマキア・ロストキャンバス・エピソードGなどのスピンオフ作品にまで手を伸ばす。
トータルでの最愛キャラは車田星矢の黄金聖闘士、双子座のサガ(ハーデス編ほぼ限定)なのだが、このところ何故かロストキャンバスの山羊座の黄金聖闘士エルシドにはまっている。全然タイプは違うのだが、格好良さに惚れた。
二次創作は読むことはあっても書くことはないと思っていたのだが(いやかつては読むこともしなかったのだが)、とうとう禁?を破ってこんなことに。
このサイトは二次創作に特化させた「エルシド別館」なので、ロストキャンバスの新刊の感想等はこちらの「本館」のブログのカテゴリー「聖闘士星矢」を参照されたい。
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