結婚式は無理だから(×オリキャラヒロイン)。
「神に近い男の笑み」への拍手、ありがとうございました!
アスミタはもう少しいろいろ書きたいです。
※ここに残してはおきますが、主編「守り手」の章に冒頭部分を少し変えて組み込みました(2014.4.12)。※
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「アテナ様、」
「参りました」
間もなく日が沈む時分、二人で教皇の間に呼ばれた。女神は玉座にすわっていたが、珍しく教皇の姿がない。まだそんなに遅くないとはいえ、勅命を聞くには妙な時間だった。
「今日来てもらったのは…任務の話ではありません」
女神はまだ幼さの残るその顔に、穏やかな笑みを浮かべて口を切った。
「今ここには私たちしかいません。ティソナ、仮面をはずしていただけませんか」
ティソナは思わず顔をあげて女神を見た。その顔を見て覚悟を決めたように仮面をはずす。女神は二人の顔を見て笑みを深めた。
「やっぱり、思った通りのきれいな顔ですね」
「いえ、私はそんな…」
焦ったようにティソナが否定しようとするのを女神は制して言った。
「幸せな顔は美しいものです。ティソナ、エルシド、あなたたちのことは聞いています。聖闘士の…私の戦士たちの幸せは、私の喜びです」
二人は恐縮して頭を垂れる。
「もし良ければ、あなたたち二人を正式に…」
エルシドは驚いたように女神の顔を振り仰ぎ、次いで隣のティソナの顔を見た。ティソナも驚いた様子だったが、決意をこめた顔で口を開いた。
「もったいないお言葉を、ありがとうございます。ですが、今は聖戦の折、そして私は…私たちは聖闘士です。聖闘士として全うするため、極力個人的な行事は控えたく思います。アテナ様のお気持ちだけで十分でございます」
女神の顔を真っ直ぐ見据え、晴れやかな表情でティソナは言った。
「あなたも…良いのですか、エルシド」
「はっ。私も同じように申し上げようと」
「そうですか…」
女神は少し残念そうに微笑んだ。
「ではせめて、受けてください。私からの祝福を」
「「喜んでお受けいたします」」
礼をこめて、二人は深く頭を下げる。その頭上に、暖かい祝福の小宇宙が注がれる。
「心から祈ります、あなたたちの幸せを」
並んで磨羯宮へと降りていく二人の姿を、サーシャは微笑んで見送った。
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並んで歩くときっと身長差がねー。エルシドがシュラと同じ186cmくらいあるとして、ティソナは158cm設定なので30cm近い差があるのです。でも「並んで歩く」「並んで立つ」というのがいいのです。
主編「痛恨」の章の直前くらいか。
パラレルで、よくある無印の二次創作のようにすべてが終わった後の復活設定みたいにしようかとも思ったけど、やっぱり主編の流れに入れるべきかと。時を特定しないいつか、でもいいかもしれないけれど。
こういうことに関してはティソナの方が主導権取ってもいいかなーと。エルシドはこういうことに疎そうだ。
聖域での正式な結婚の披露ってどういうのかわからないけどね! 18世紀だし。
しかし他の男性がいたら仮面だから、人が列席しての式や披露宴で仮面の新婦だと興醒めだよな~。
「これからは二人で磨羯宮で暮らしてね」っていうのも入れようかと思ったけど、下世話なのでやめました。
2008年頃に、ひょんなことで車田正美の漫画『聖闘士星矢』にはまる。漫画を読了後、アニメもOVA・TV版・映画版と観て、ギガントマキア・ロストキャンバス・エピソードGなどのスピンオフ作品にまで手を伸ばす。
トータルでの最愛キャラは車田星矢の黄金聖闘士、双子座のサガ(ハーデス編ほぼ限定)なのだが、このところ何故かロストキャンバスの山羊座の黄金聖闘士エルシドにはまっている。全然タイプは違うのだが、格好良さに惚れた。
二次創作は読むことはあっても書くことはないと思っていたのだが(いやかつては読むこともしなかったのだが)、とうとう禁?を破ってこんなことに。
このサイトは二次創作に特化させた「エルシド別館」なので、ロストキャンバスの新刊の感想等はこちらの「本館」のブログのカテゴリー「聖闘士星矢」を参照されたい。
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