「花瓶」

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アルバフィカ補足その２。
「花」の対になるもの。
「主編」後日談。オリキャラヒロインあり前提です。
 

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　任務が終わり、アルバフィカは双魚宮に戻ってきた。ふと見ると、入り口のそばに花瓶が一つ置いてあった。これは確か――。
　そう言えば、「貸してやる」と言ったような気もする。別段惜しげのある品でもなく、戻ってくることはあまり考えていなかったのだが。
「相も変わらず義理堅いことだな」
　律儀な性分なのはもちろんだが、彼が返しに来た理由は推察できた。見ているのは辛いのだろう。空になった花瓶を。それに花を挿していた手、そしておそらくはきれいな笑顔を浮かべていただろうその顔を思い出して。
　花瓶を手に、アルバフィカはしばらく瞑目した。

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エルシドはきっと「借りた」ものは返しに来るよね…と思ってできた話。
もとはろん様作だったものをリメイク。